偉い人が感じる24時間は、一般人が感じる24時間よりも長い
「1日24時間はみんな平等」などと言いますが、実際は「偉い人のほうが1日の体感時間は長いんだよ!」 ってな論文(1)が出ておりました。
これはカリフォリニア大学の研究で、557人の被験者を対象にした実験の結果、
権力には、時間を多めに感じさせる効果がある。その原因は、権力が「自分は時間をコントロールしている」という感覚を与えるからだ。
ってことがわかったそうな。論文では5種類の実験が行われてまして、そのうち1つでは、102人の学生たちを半分に分けて、仕事の面接シーンを思い描いてもらったんですね。このとき、半分のグループは自分が面接官になった想像をして、残り半分には自分が面接を受ける側のイメージを浮かべてもらった、と。
その後、彼らに時間に関するアンケートに答えてもらったところ、面接官をイメージした学生のほうが、「自分は将来の計画を立てるための自由な時間を持っている!」と答える傾向が高くなったんだそうな。
そんなわけで、確かに1日の時間は平等ではあるものの、権力者になればなるほど時間に切羽詰まっていない可能性が大。これは、考えてみれば当然の話で、お偉いさんほど自由に会議のスケジュールが組めるし、そもそも時間管理を他人に任せちゃってるケースも多いでしょうしね。つねに下っ端として働くわたしには、なかなか切ない結論であります。
とはいえ、社会学者ジョン・ロビンソンの研究によれば、そもそも「現代人の大半は、実は昔よりも自由な時間が増えている!」そうで、現代はマルチタスクがはびこるせいで実際よりも「忙しい」と勘違いしがちなんだとか。権力を得ようとがんばるよりも、シングルタスクに専念して自分の体感時間を増やすほうに努めたほうが建設的な気はしますねぇ。
credit: h.koppdelaney via FindCC