まったくの宇宙論オンチであるわたしが、必死で人間原理を理解してみた | 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか」
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「宇宙はなぜこのような宇宙なのか」を読みました。著者は、超おもしろい科学書をガンガン訳していることで有名な青木薫さん。
本書は「宇宙は人間のためにある!」という「人間原理」を中心にした宇宙論の本。いかにも難しそうだと思って読み始めたら、案の定、1割も理解できませんでした(笑)。
といっても、そこは稀代の名翻訳家である青木薫さんですから、わたしのような物理オンチにも、「なんとなくわかったかな〜」という気分にはさせてくれます。そんなわけで、宇宙をラーメン屋に例えつつ、わたしなりに本書で理解した「人間原理」をまとめてみると、
- その町には1軒のラーメン屋しかなく、メニューもしょうゆラーメンしかない。町の人たちは、世界にあるラーメン屋は、その一軒だけだと思っていた(昔ながらの宇宙観)
- その町に住むある男にとっては、このラーメンが異常に美味かった。麺もスープも絶妙すぎる味とバランス。なんでこんなに美味いのか?(理論物理学者の疑問)
- その男は考えた。「もしかして、このラーメン屋って、オレのために営業してるんじゃないの?」(人間原理)
- よく調べてみると、ラーメン屋の営業期間は、男の生活リズムにピッタリとあっていた。これは偶然とは思えない!(弱い人間原理)
- そこへ、他の町人から「たまたまラーメン屋の営業時間とお前のライフスタイルが重なってただけでしょ」とツッコミが(観測選択効果)
- 男は反論した。「確かに、営業時間に関してはオレの早とちりだった。でも、ここまでオレの舌に合うラーメンが存在するのはおかしい! だって、麺の固さも量もスープもピッタリ過ぎるんだから! もはや、このラーメン屋は、オレのためだけに作られたとしか考えられない!」(強い人間原理)
- と、そこで男は別の考え方を思いつく。「あれ?ひょっとしたら、ラーメン屋って、この町の他にも存在してるのかも?」(多元宇宙論)
- そこで、あらためてラーメン屋の歴史を調べてみると、ラーメンが誕生した当初は大ブームだったので、すごい勢いで各地にラーメン屋が登場していたっぽい(インフレーション理論)
- さらに調べてみると、世の中にはしょうゆラーメンだけじゃなくて、みそやとんこつやら、すさまじい種類のラーメンがあるみたい(ひも理論)
- この2点を考えると、どうもラーメン屋は、この町の外にもたくさんあると考えるしかないっぽい(多元宇宙論)
- これまでは、ラーメン屋が世界に一軒だけだと思ってたから、「なんで、このラーメンはオレの舌に合うんだろう?」と不思議だったけど、そんなにいろんな種類のラーメン屋があるなら、別にたまたまオレにピッタリなラーメン屋があってもおかしくないな…(人間原理のひもランドスケープ)
といった感じでしょうか。正しいかどうかの自信はまったくありませんが(笑)。にしても、宇宙論の本ってのは、予想もできないビジョンが次々とでてくるんで、わからなくても楽しいんですよねぇ。