結局、お酒を飲むと太るのか?
お酒とダイエットに関してのご質問をいただきました。要点を抜粋しますと、
ずっと疑問だったのですが、結局お酒と言うのは太るのでしょうか?アルコールの事です。糖質ゼロの蒸留酒を飲んで、それはカロリー計算した方がいいのかいつも迷っています。自分で調べて見ても、いろんな意見があってよくわかりません。
とのこと。確かに、お酒について検索をかけると、
- アルコールのカロリーは飲んでも太らない!
- アルコールはカロリーが多いので太る!
って真逆の意見が見られまして、混乱しちゃうところです。で、まずは結論から申し上げますと、
適度な酒は太らないが、ある量を超えると脂肪が増える原因になる。
といったところです。では、具体的に見て行きましょう。
酒とダイエットに関しては、昔からかなりのリサーチがありまして、たとえば有名なのは2004年の実験(1)。酒はダイエットに悪影響が出るのか?を調べたもので、グレープフルーツジュースを飲んだ被験者とくらべたところ、アルコールを飲んでも減量のさまたげにはならなかった、との結論であります。
また、2003年には16,587人を対象にした大規模な調査(2)が行われてまして、1日に約15グラムのアルコールを摂取している中年男性を9年にわたって追いかけたところ、やはりアルコールの摂取と体重には関係が見られなかったとか。
これは、アルコールのカロリーは非常に燃費が悪くできているのと(3)、酒には体の代謝を上げて脂肪を燃やす効果が高い(4)のが原因と考えられております。他にも、同じような結論が出た論文(5,6)はいくつかありまして、適度なアルコールは太らない!とみてよさそうです。
ただし、残念ながら「じゃあ酒は飲み放題だ!」って結論にはならないのが難しいところ。実は、ある程度の量を超えると、やはりアルコールは太る原因になっちゃうってデータがいくつかあるんですね。
代表的なのは2003年の調査(7)で、6,832人の中年男性を5年間ほど追ったところ、1日のアルコール量が30グラムを超えてしまうと、BMIと体重がガツンと増えていく傾向が高かったとか。
この原因としては、以前に「酒は筋トレとダイエットに悪影響しかおよぼさない」でご紹介したとおり、
- タンパク質の代謝を悪化させて筋肉が減る
- ホルモンバランスが崩れて脂肪がつきやすくなる
のが大きいかと思われます。酒のカロリー自体は問題がなくても、それ以外の要素がデブの引き金になっちゃうわけですね。
ちなみに、30グラムのアルコール量がどれぐらいかと言いますと、
- ビール・発泡酒(5%) ロング缶1.5本
- 酎ハイ(7%) 350mL缶1.5本
- 焼酎(25%) ロック1.5杯
- 日本酒(15%) 1.5合
- ウイスキー・ジン(40%) シングル3杯
- ワイン(12%) グラス2.5杯
といったところ。この量を超えると、脂肪が増える危険ラインを上回っていくことになります。お気をつけくださいませー。
credit: David Blackwell via FindCC