自分は「頭がいい」と思うだけでIQは10ポイントあがる
脳トレの効果は思い込みだ!
「脳トレって効果あるの?」って議論は昔からありまして、最近でも、大手「脳トレサービス」のルモシティがサギ広告で訴えられたなんてニュース(1)が出たりとか。
いっぽうで2014年に出たメタ分析(2)では、20件の脳トレ研究を調べたところ「IQが平均で5ポイントあがる!」って結論が出てたりもするんですよね。これは、なかなか判断が難しいところであります。
が、新たに出た論文(3)では「脳トレの効果は思い込みだ!」ってデータが出てまして、これがなかなかおもしろい。
脳トレの効果はプラシーボ?
これはジョージ・メイソン大学の研究で、25名の男女を対象にしたもの。実験に参加してもらう際に、以下の2パターンで参加者を集めたんだそうな。
- 脳トレの実験です!
- 心理学の実験の参加者を求む!
いっぽうのグループにだけ「脳トレの実験だ」と伝えて、残りには研究の目的を教えなかったわけですね。
そのうえで全員に1時間ほど脳トレをやってもらったところ、
- 脳トレの実験だとわかって脳トレをやったグループはIQが5〜10ポイントアップ
- 普通の心理実験だと思ったグループはIQに変化なし!
って結果だったんですな。つまり、脳トレの効果ってのは完全にプラシーボなんじゃないのか、と。
思い込みだけでIQは最大10ポイントアップ
さらにおもしろいことに、この研究チームは、過去に「脳トレでIQがあがった!」と報告した論文の作者たちに、「ちゃんとプラシーボの可能性を取り除いた?」と尋ねてまわったらしい。すると、連絡が取れたうち17件の論文は「プラシーボの可能性は否定できない」って結論だったとのこと。一気に脳トレの正当性が怪しくなってまいりました。
もちろん、これで「すべての脳トレサービスはムダ!」って話にはなりませんが、たとえばルモシティが発表してる実験データ(4)をみても、どうもプラシーボの影響をうまく取り除けてないっぽいんですよねぇ。難しいところです。
まぁ、とはいえ個人的には今回の実験は、わたしたち一般ユーザーにとっては「いい話」だと思いました。わざわざめんどうで退屈な脳トレをしなくても、「俺は頭がいい!」とさえ思えばIQがあがるかもしんないわけですからね(笑)