ゲームで頭が良くなる!しかし目先の欲望には弱くなる!という話
テレビゲームで脳はどう変わるか?
近ごろの研究では、どうやら「暴力的なゲームに悪影響はない!」って結論が優勢のようなんですが、新しく出た論文(1)では「テレビゲームのメリットとデメリット」を徹底的に切り分けててくれてて勉強になりました。
これはカタルーニャ大学の研究で、過去に出た「ゲームと脳」に関するデータから116件をまとめた系統的レビューになっております。ってことで、データとしての信頼性は高め。
テレビゲームで集中力と記憶力が上がる!
で、まず何がわかったかと言えば、
- ゲームで遊ぶと脳の構造と機能が変わる!
ってことです。間違いなく、テレビゲームはプレイヤーの脳に影響をあたえてるわけっすね。
では、続いてゲームのメリットを並べると、
- 注意力をキープする力がアップする
- 選択的注意もアップする(いろんな情報のなかから特定のものに注意を向ける能力)
- 空間的な視覚能力もあがる(3D空間のなかで物体がどこにあるか把握する能力)
- 海馬が大きくなる(脳の記憶と学習をつかさどるエリア)
みたいな感じ。全体的には、ストレスが大きい状況でも、特定のものに意識を集中するスキルが上がるみたい。
つまり、ゲームをやると集中力と記憶力があがる!って話でして、勉強中のサラリーマンや学生さんにはうれしい結論ではないかと。
テレビゲームで欲望に弱くなる
が、なにごとにもダークサイドはあるもんでして、続いてはゲームのデメリットです。
- 脳の報酬システムが変化を起こし、中毒症状と同じような状態になる
- 外部の刺激に反応しやすくなり、報酬に弱くなってしまう
大抵のゲームは定期的に「ごほうび」が得られるので、これが脳の報酬システムをオーバーヒートさせ、中毒症状を起こしやすくするんだ、と。
確かに、よくできたゲームほど、絶妙なタイミングでアイテムが手に入ったり、ステージをクリアできるように設計されてますからねぇ。この点が脳の報酬スイッチを過剰にオンにしちゃうわけですな。
まとめ
つまり、以上の話をまとめると、
- ゲームは学習に役立つ脳の機能をアップさせる
- しかし、向上した脳機能を現実に活かすのを難しくさせる
っていう善悪の綱引き状態が起こるわけですねぇ。これは悩ましい!
まぁ近年のデータだと、人生の成功に必要なのは脳機能よりセルフコントロール!って考え方が主流なんで、その点ではゲームは悪影響だとは言えるかも。とはいえ、いっぽうでゲームによる意思決定力の向上メリットも見逃せないとこではありますんで、結局「ゲームは1日1時間!」という高橋名人の格言に従うのがいいのかも。