子供のIQをあげるにはどうすればいいの?のメタ分析が出てたよー
頭が良い子供を育てるには何が必要か?
「頭が良い子供を育てるには?」って問題をがっつり調べたメタ分析(1)が出てましたんでメモしときます。
これはニューヨーク大学の研究で、過去に出た「子供の養育法と知性」に関するデータをまとめたもの。そこそこ質が高い8件のデータをまとめてまして、幼児教育にお悩みの方にはいいのではないかと。
研究者いわく、
この調査の目的は、人間の知性を向上させるために何が効いて何が効かないのかを記録したデータベースを作るために行った。
ってことで、大人の知性アップにもそれなりに参考になるのではないかと思われます。
子供のIQをアップさせる2つの重大ポイント
ここでピックアップされたデータは、
- わりと平均的な家庭の子供である
- 一定間以上の介入を行なっている(4週間以上)
- ちゃんとRCTを使っている(実験手法のゴールドスタンダードですな)
ってあたりを基準にまとめております。でもって、子供のIQを伸ばすのに何が大事だったのは大きく2つであります。
子供のIQをあげるもの1.オメガ3
オメガ3は、ご存じ魚に豊富な脂肪酸の一種。「魚を食べると頭が良くなる」って話がありますが、やはりこの説は正しかった模様です。
これは、新生児に食べさせるのが良いのはもちろん、妊娠中の女性が魚をたくさん食べた場合でも子供の脳には良い影響があるみたい。具体的にオメガ3でどこまで良い影響があるかと言いますと、
- オメガ3を食べるとIQが3.5ポイントあがる!
だったそうな。まぁオメガ3が神経細胞の材料になるのは有名な話なんで、これぐらいの違いが出るのも当然なのかもですが。
子供のIQをあげるもの2.インタラクティブ読書
こないだも「読書で人生がウハウハに!」みたいなデータがありましたが、子供のIQをあげるのにも役立ってくれるみたい。
ここで大事なのは「インタラクティブ」の部分で、たとえば子供に「次のシーンはどうなると思う?」とか「ブタさんは何を考えてると思う?」みたいにオープンエンドな質問を投げかけていくタイプの読書を意味しております。ただ本を読ませるんじゃなくて、子供とのやりとりが欠かせないわけっすな。
では、具体的にどこまで知性に影響があるかというと、
- インタラクティブ読書をするとIQが6ポイントあがる!
だったそうな。6ポイントというと、もしかしたら人生を左右するかも?ぐらいのレベルっすね。これはすごいですなぁ。
早期教育は子供のIQをアップさせない
ちなみにこの研究では、子供のIQに関係ないものも挙げられておりました。
子供のIQアップに効かないもの1.その他のサプリメント
一部の俗説では、「ビタミンB群や鉄分、亜鉛でIQがあがる!」みたいな考え方もあったんですが、とりあえず現時点では、
- ビタミンB群、亜鉛などが子供のIQをあげるという証拠はゼロ!
だったそうです。もちろん、どの栄養素もバランスよく摂るにこしたことはないんですが、あえてサプリを飲むような必要はなさげですな。
子供のIQアップに効かないもの2.早期教育
個人的に驚いのはこちらでして、どうも早期教育は子供のIQには何の関係もないらしい。いくつかの介入を見ても、
- 早めに教育しようが遅く始めようがIQレベルには何の違いもない!
って結論なんですよ。おもしろいもんです。
逆に、「クオリティが高い幼稚園に通わせるとIQがあがるよー」って傾向は出てまして、こちらは4ポイントの差が出るとのこと。早期の教育にこだわるよりも、早期に良い友人を作る機会を増やすほうが大事ってことらしい。
研究者いわく、
今回の研究は、「複雑な環境が知性を伸ばす」という従来の説を裏付けるものだ。その一方で、早期教育のような従来の仮説は支持されなかった。
とのこと。「複雑な環境が知性を伸ばす」ってのは大人の知性にも当てはまりますんで、心がけていきたいところです。というか、オメガ3とインタラクティブ読書って、普通に大人が頭を良くするためにもかなり大事なポイントですからねぇ。