「おならが出やすくて……」という問題を限界までやわらげるための腸内改善ガイド
https://yuchrszk.blogspot.com/2018/06/blog-post_32.html?m=0
腸内ガスについてのご質問をいただきました。
中学くらいからおならに悩んでいます。
具体的にいいますと1つの授業中に10回以上放屁をしてしまいます。 するともちろん周りが鼻をすすったりして、けど、止められなくて漏れ出ます。どこに行くのにもおならが出ないか心配でおなら恐怖もあり、出ていないのになんだか臭いのではないだろうかと自己臭もあり、どうにかしたいと思っています。
ただ、ネットを見ても誰が書いたのかわからないようなサイトでヨーグルトを食べてとかしか載っていません。書籍を検索しても最近まであまりいいのが見つからなかったのですが、fodmapの過敏性腸症候群のやつが出ていてそれを試そうといろいろググってここにたどり着きました。異常におならが出ることへの対策などあれば教えていただきたいです。
とのことで、これはかなりメンタルにはツラいお悩みですねぇ……。現時点で「これさえやればOK!」みたいな対策はないのが事実なんですが、わかってる範囲のお答えを書いてみようかと思います。
そもそも「ガス」はなぜ起きるのか?
まずは「なぜ過剰なガスが発生するのか?」って問題について考えてみましょう。そもそもお腹に発生するガスのうち75%は、腸内でうまく食物が消化されないせいで起きてまして、
って2つの原因が組み合わさってるケースがほとんどかと思います。なので、とりあえずこの2つを解決するのが大事。
まずはFODMAPの徹底で様子をみたい
上にも書いたとおり、過剰なガスの犯人はFODMAPであるケースが多め。いくつかのフルーツや野菜、豆類、麦類、乳製品、糖アルコールをふくむ食品は、腸の中で発酵を起こして大量のガスを発生させちゃうんですな。で、FODMAPでガスが減るってのはかなり多くの実験(2,3,4)で確認されていて、そのあたりは疑いがないところ。これまでは「IBS(過敏性腸症候群)じゃないと意味がないんじゃない?」なんて話もあったんですが、15人の健康な男女を対象にした近年の研究(5)によれば、
- 1日のFODMAPを9gまでに減らしたところ、50gのときよりも激しく症状が改善!
って結果が出てたりします。腸内に問題がなさそうな人でも、それなりにFODMAPの恩恵は得られそうな雰囲気なんですな。
ってことで、まずはFODMAP食を試して症状が改善するかどうかを見てみるのが吉。具体的には、
なんかを参考に、2〜4週間ぐらい続けて変化がないかを見てみるのがオススメですね。
プロバイオティクスはどうするか問題
腸内バランスを整えるにはプロバイオティクスが定番でして、IBSへの効果にも一定の評価が出てたりします。
腸内ガスとの関連についてもチラホラと研究が進みつつありまして、たとえば150人を対象にした2016年の実験(6)なんかを見てますと、
- プロバイオティクスを飲んだ参加者は、60日間で66-78%にガスの改善が見られた!
- プロバイオティクスの改善効果は、サプリを飲むのをやめてから30日後まで続いた
って感じになっております。具体的にここでどんな菌株が使われたかというと、
- ラクトバチルス アシドフィルス
- ラクトバチルス・ロイテリ
- ラクトバチルス・プランタルム
- ラクトバチルス・ラムノサス
- ビフィドバクテリウム・アニマリス
の5種類です。乳酸菌とビフィズス菌がメインですね。
で、いまのところガスの過剰発生に効くプロバイオティクスとしては、「VSL#3」ってのが定番だったりします(7)。海外だとIBSの治療にも使われてる本格派。
もちろんストレス対策は必須中の必須
腸内ガスが起きる3つ目の要素が「ストレス」であります。これは過去のデータ(8)でも一貫して確認されてる事実でして、
といったメカニズムがよく知られております。ここらへんは個人によって対策法が大きく違うんで、
を参考にしていただくか、がっつり取り組みたければ「超ストレス解消法」をどうぞー。
その他、腸内ガスに効くかもしれないサプリ
腸内のガスがサプリでどうにかなるかは、まだ限られたデータしかないのが正直なところです。そんな中で見込みがありそうなものを挙げてみますと、
- 消化酵素複合体:ガスが出やすい人は特定の酵素を持たないケースもあるんで、食事と一緒に消化酵素をとるのはアリ。特にラクターゼとα-ガラクトシダーゼについてはそれなりの実験も行われていて、ラクターゼの場合は6000IUで腸内のガスが減り(9)、α-ガラクトシダーゼは300-1200 GaIUで良い成果が出てたりします(10)。とりあえずはこれを試してみるのもいいのではないかと。
- シメコチン:こちらは体内のガスをすみやかに排出するために使われてきた成分。残念ながらガスの発生量を抑える働きはないんですが、腸内の不快感をやわらげる作用は確認されてたりします(11)。ただし、こちらは場合によってはガス量が増える可能性もあるんで、使用の際はお医者さんにお尋ねください。
まとめ
そんなわけでいろいろ書いてみましたが、- FODMAP
- プロバイオティクス
- ストレス対策
の3つはとりあえず徹底していただければと思います。腸内環境の改善は長期戦になるので、ご健闘をお祈りしてます。