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便秘のパレオダイエット的な解決策とは?

Toilet

 便秘のお悩みをいただきました。

便秘に悩んでいます。お通じは週に2〜3回ぐらいで、1年ぐらいスッキリした気分を味わったことがありません。なにかパレオダイエット的な解決策はありますか?


とのこと。幸いにも私は便秘に悩んだことはないんですけど、定期的に似たような相談を受けたりします。やっぱツラいんでしょうねぇ。




 

そもそも便秘とは?

いちおうざっくりした便秘の定義をまとめとくと(1)、

  • お通じが週3回以下の状態が3カ月以上続いている
  • 排便が困難で腹痛などをともなう


みたいな感じ。便の形状については、1990年代にブリストル大学が考案したブリストル便性状スケールを使うのが定番かと思います(2)。

Stool

これでタイプ3〜4ぐらいだったらベスト。1〜2が便秘では定番の形かと思います。


で、便秘の原因は本当にいろいろなんで、「これだけやろう!」みたいな方法はございません。ただし排便の問題ってのは、やはり「現代生活と遺伝のミスマッチ」による面も大きいで、パレオ式のライフスタイルが役立つポイントも多いかと思います。そのへんをまとめておきましょう。

1.まずは食物繊維の増量が基本

パレオダイエットといえば「食物繊維の増量」が基本中のキホン。


食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がありますけど、多くの実験で「便秘に効く!」と確認されてるのは水溶性食物繊維のほうです(3,4)。水溶性は便をやわらかくしてくれるんで、便秘にはかなり有効なんですね。


一般的に水溶性食物繊維が多いのは、ナッツやフルーツなど。最低でも1日25グラムぐらいは摂りたいとこですけど、食品から摂取するのが難しい方はオオバコを選ぶとよさげです。いまんとこ最もデータが多い食物繊維で、水溶性もほどよくふくまれております。


といっても、いきなり水溶性食物繊維を増やすと腹がビックリする人もいますんで、まずは1日10gぐらいから様子をみつつ増量していただければと。

2.便秘に効くプロバイオティクスとは?

続いて、当ブログではおなじみのプロバイオティクス腸内細菌を改善していきましょう。


プロバイオティクスの効果はわりと確実で、たとえば2013年には11件のデータをまとめたメタ分析(5)が出ております。その結論を引用しますと、

全体的に、短期間のプロバイオティクスにより消化管の通過時間は改善する。


って感じ。プロバイオティクスで腸の働きが改善するんだ、と。


では具体的にどれぐらい飲めばいいかというと、2011年に100人の便秘患者さんを対象にした実験(6)によれば、

  • 1日に172億CFUのビフィズス菌を飲んだグループは14週間で排便が激しくラクに!
  • 1日に18億CFUのビフィズス菌を飲んだグループはそこそこの改善度


みたいな感じだったらしい。いちおう14日の改善グラグものっけときます。

Sgas46 1057 f3

 基本的には大量のビフィズス菌を飲むほど効果が出るって結果が出てますね。ビフィズス菌の商品は好きなものを使えばOKですが、とにかく菌の量にこだわっていくならリニューライフの「アルティメットフローラ」とかよろしいのではないでしょうか。

 

3.さらに瞑想もやっとくといいかも

実は近年では「瞑想が便秘に効くかもよ?」と考えられております。というのも、ご存じのとおり脳と腸はつながっているので、ストレスとお腹の調子にも密接な関係があるんですな。


実際、2014年のレビュー論文(7)によれば、

  1. 慢性的なストレスが腸内細菌のバランスを崩す
  2. 腸内の神経の活動が変化する
  3. 消化器官の不調!


 って経路があるとのこと。ストレスがたまると便秘が起きるって方は多いんじゃないでしょうか。


で、この悪循環を瞑想で断ち切ろう!ってのがここでのポイントになります。瞑想と便秘の実験は少ないものの、

  • 43名のIBS患者が8週間のマインドフルネス瞑想を行ったところ43%に症状の改善がみられた(2013年,8)
  • 75名のIBS患者が8週間のマインドフルネス瞑想を行ったところ38%に症状の改善がみられた(2011年,9)


 みたいな例はチラホラ出ております。いまんとこマインドフルネス瞑想で不安や鬱が減るのは間違いないんで、こいつが腸の正常な働きにも役立つ可能性は高いみたい。


具体的な瞑想の方法については「瞑想をスタートするために必要なすべての知識をまとめてみたぞ」に書いてますんで、とりあえず8週間ほど続けてみちゃいかがかと。

4.FODMAPが便秘に効くケース

当ブログでは、お腹の調子が悪い人の食事法として「FODMAP」ってのを何度か紹介しております。世の中には、オリゴ糖、イヌリン果糖といった成分でお腹に異常が起きるタイプの人がおりまして、その場合は激しい便秘になったりするんですね。


近年では、FODMAPがIBSに効く!ってのがかなり実証されてまして、「いろいろやったのに便秘が治らない!」って方は試す価値があるはず。具体的なNG食品については「FODMAP入門」に書いてますんで、ぜひチャレンジしていただければ。

まとめ

そんなわけで、便秘対策をいろいろまとめてみました。一般的は、ほかにも「水を飲め!」とか「運動しよう!」とか言われるんですけど、実はいまいちデータが曖昧だったんでここでは省きました。


とりあえず食物繊維とプロバイオティクスはマストとして、それでも変化がなければ瞑想とFODMAPを追加してみるのがよいかと思われます。どうぞお大事に。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。