Googleの採用で最重要視される「知的謙遜」のレベルを高めるには?
こないだ「賢者になる方法」ってのを紹介しました。ざっくり言うと、いかなる場面でも賢明な行動が取れるようになるには
- メタ認知:自分を引いたところから見られる能力
- セルフコンパッション:自分への思いやり
の2つが必要ですよー、みたいな話です。私の場合は、なぜか昔からセルフコンパッションが低いマンなので、いまもそのへんで悪戦苦闘しております。
で、賢者が備える能力のひとつとして挙がってたのが「知的謙遜」って要素であります。これは自分の知識の限界レベルをちゃんと把握した状態のことで、要は「無知の知」っすね。
これを初めて聞いたときは「まぁそうだろうなぁ」ぐらいの感想だったんですけど、どうもGoogleの人事担当も「知的謙遜があるかないか」を採用の基準にしてるそうな(1)。「ワーク・ルールズ!」(http://amzn.to/2utL8NQ)のラズロ・ボックさんいわく、
(Googleの採用で重要視するのは)謙遜心と責任感だ。(中略)
謙遜とは他人の良いアイデアを受け入れられる状態を指すだけでなく、「知的謙遜」でなければならない。知的謙遜がなければ、人間は学ぶことができなくなってしまうからだ。
とのこと。知的謙遜がない人は失敗から学ぼうとしないんで、組織内で働くのには向いてないんだ、と。
この現象はいくつかの実験(2)でも確認されていて、
- 知的謙遜のレベルが高い人ほど、
- 意見が違う人からも学ぶことができる
- 長期的にみると知的発達のスピードが速い
って傾向があるっぽい。 いかにも賢者って感じですなぁ。
というと当たり前のようですが、なんせ人間には「オレは平均よりも上だ!」と思い込むバイアスがあるんで、意外と知的謙遜をキープし続けるのは難しかったりします。
いまんとこ、その特効薬はないんですけど、ブラウン大の研究(3)だと「定期的に自分の知識を他人に説明してみるといいんじゃない?」とのこと。実際、このアドバイスを「社会問題」で試してみたところ、実験の参加者は尊大さが減り、極端な政治姿勢を取らなくなったそうな。確かに、自分こそ正義だと思いこんじゃうと、極端な方向に走りがちですもんねぇ。
このほか、知的謙遜にはバイアスの問題が大きいので、
といったあたりも使えそう。私も定期的にチェックしとかんといかんですなぁ。