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今週の小ネタ:勉強と脳の変化、ストレス食いを避ける3つの対策、脳のデカさと頭の良さ

Summary

 

ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

私たちの脳は勉強からどれぐらいで変化するのか

 

まずはテュービンゲン大学の論文(1)で、「勉強するとどれぐらいから脳は変わるの?」って問題を調べてくれております。長いこと同じことを学んでると脳の神経回路が組み変わっていくのは有名ですが、果たしてその変化はどれぐらいのタイミングから起きてるの?ってことですな。

 

 

これはDW-MRIって技術で脳をスキャンした研究で、被験者が勉強をしたあとに、頭のなかでどんな変化が起きてるかを見たんですよ。その結果、

 

学習から1時間で新皮質の変化が起きていることがわかった。この微細な構造変化は、その後12時間にわたって続いていた。

 

だったそうな。これまでは脳はそんな早く変化しないと思われてたんで、たった1時間ってのは結構ビックリだったりします。まぁこの事実をすぐ現実に活かすのは難しいかもですが、勉強してから1時間でも脳に変化が起きてる!と思うと、個人的にはモチベーションが上がるんですがいかがでしょうか。

 

 

ストレスで食べ過ぎちゃう!を避ける3つの対策

続いてはオーランドヘルスの調査(2)で、1000人以上に「ダイエットに失敗する原因ってなんだと思います?」と尋ねまくったそうな。すると、31%は「運動不足だからな〜」と答え、26%が「食事のせいでしょ」と回答。「心理的に満たされないから」と答えたのが9%ぐらいだったそうな。

 

 

が、研究チームは「心理的な要因」をダイエットの最大の障害だと考えてまして、

 

自分では気づこうと気づくまいと、私たちは栄養のためだけに食事をするわけではない。それどころか、実際は気分の改善を求めて食事を口にするケースのほうが多いのだ。

 

これは悪いことではないが、心理的な要因で食べ過ぎてしまう事実を認めないと、事態は改善できない。

 

とのこと。脳の快楽と食べ過ぎの問題は当ブログでもよくあつかってますんで、ここらへんは納得しやすいところっすね。確かに、ダイエットは真理からアプローチしたほうがうまくいくケースも多いですし。

 

 

ってことで研究チームは、以下の対策をおすすめしておられます。

 

  • 食事日記をつけて、同時に自分の気分がどう変わったかも記録しておく
  • 自分の気分を良くしてくれる食品を見つけて書き出し、なぜこれで気分が改善するのか?を考えてみる(「子どもころの良い記憶が蘇るから」とか、単純に「なんかスッキリするから」とか)
  • お菓子やファストフードなどを食べそうになったら、「自分が食べたいのはお腹が空いてるからか?」と自問してみる。その答えが「ノー」なら、その食品を食べたい本当の理由を探ってみる

 

こうしてみると、ほとんど認知療法のアドバイスと同じ感じっすね。ストレスが原因で食べ過ぎてしまう人は、試してみてもいいかも。

 

 

脳がデカいと頭がいいのか?問題

昔から「脳がデカいと頭がいいの?」って疑問がありまして、わりとデータによって結果がバラバラだったりしてたんですよ。が、新たに出た論文(3)は、「頭がいい人はちょっとだけ脳がデカいよ!」って結論になっておりました。

 

 

これはペンシルバニア大学の研究で、13600人の脳をMRIでチェックしたうえで、全員の認知テストの結果と比較したもの。同じタイプの研究は過去にもありましたが、今回のは最大クラスの規模になります。

 

 

研究チームいわく、

 

脳サイズと認知の相関は間違いない。脳が大きな者は、脳が小さい者よりも平均して認知テストの成績が良かった。

 

が、テストの成績を左右する要素をすべて考慮に入れれば、脳のサイズの影響はまったく大したものではない。すべての要素のなかで、脳のサイズで説明できるのは2%だけだ。さらに、学業への影響についてはさらに効果が小さい。

 

ってことで、脳がデカいと頭がいい傾向はあるものの、98%は別の要素によって変わってくるんだ、と。専門家でもなければ特に気にしなくていいレベルっすね。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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