野菜や果物を増やしたら腸内細菌の種類は増えるのか?問題
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腸内細菌って大事だよねーみたいな話をよくしてまして、「最高の体調」でも1章を使って改善策を説明してたりするわけです。
その代表がご存じ食物繊維で、
- 腸内細菌が食物繊維を分解
- 短鎖脂肪酸が生まれる
- 短鎖脂肪酸が腸の壁を守る
- 腸から毒素に体内に入り込まなくなる
- イエーイ!
みたいな流れになっております。食物繊維のメリットはそれだけじゃないんだけど、なかでも腸内細菌を養ってくれるのがデカいわけです。
ただ、まだ意外と調査が進んでないのが、野菜やら全粒粉を食べたら腸内ってどうなるの?みたいな問題だったりします。どっちも食物繊維が多いから腸内に良いのは当たり前な気がしますが、実際のところはどうなの?という。
ってことで新しい論文(1)は、「野菜と全粒粉を増やしたらどうなるかをガッツリ調べたぞ!」って内容になっててよかったです。
これはネブラスカ大学の研究で、肥満ぎみな男女を対象にしたもの。実験期間は6週間で、
- 全粒粉を食べる(全粒粉パスタとかピザとか)
- 野菜と果物を食べる(葉菜とかベリー類とか)
- 精製穀物を食べる(パンとか米とか)
の3グループに分けております。それぞれ、いつもの食事に3サービングずつ増やすように指示が出たみたい。「サービングって?」という方は、農林水産省のサイトを見ていただくといい感じです。
ここでチェツクした項目はと言いますと、
- どんだけ腸内細菌の種類が増えたか?
- どんだけ体内の炎症が減ったか?(IL-6、TNF- α、CRP、LBPの数値をチェックした)
の2つ。腸内が改善すれば、自然と体内の炎症も減って健康になるのでは?と考えたわけですな。
では、6週間でどんな変化が出たかを見てみましょうー。
- パンとか米を増やしたグループは、なんの改善もなかった(そりゃそうですな)
- 全粒粉、野菜&果物グループともに体内の炎症は減ってた
- ただし、全粒粉はLBPとTNF- αが減り、野菜&果物グループはLBPとIL-6が減ってた
- CRPにはどちらも変化なし
- 両グループともお腹の調子は目立って改善してなかった
- 野菜&果物グループは腸内細菌の多様性が増えていた
って感じでして、全粒粉も野菜&果物も体内の炎症はそれなりに減っていて、これはなかなか良い感じ。また野菜&果物グループは腸内細菌が増えてるのもうれしいポイントであります。
ただ、データを見てますと、個人的には「6週間やったわりには意外と改善しないもんだなー」みたいな印象ではあります。思ったより改善の度合いがショボいんですよね。
まぁこの実験は、普段の食事に野菜や果物を増やしただけでして、根本的に食習慣を変えたわけじゃないってのはデカいのかも。あと全体的なフードログを参照すると、野菜&果物グループは、全粒粉グループにくらべて指示された量を食べてないケースも多いみたいなんで、それもちょっと影響してそうではあります。
ってことで、ここから言えそうなことは、
- とりあえず全粒粉も野菜を増やすだけでも体内の炎症を下げるのには役立つ
- ただ、全粒粉や野菜を増やしただけじゃ、意外と改善レベルはショボいかも
- 野菜や果物のほうが腸内細菌には良い可能性がある(ポリフェノールのおかげか?)
といったところでしょうか。取り急ぎ、腸内環境が不安な方におかれましては、プロバイオティクスを飲むのもいいですが、野菜を増やすのもお忘れなく、という感じでひとつ。