内向的な人間が幸せに生きるのはどうすればいいのか?の科学
「外向性が高い人は幸せだ!」ってデータは昔から多かったりします。外向性はヒトの性格特性のひとつで、
- 社交的
- 愛想が良い
- 自己表現がうまい
みたいなキャラのことです。いかにも幸せそうな性格ですけど、実際に検証データも多くて、外向性が高い人ほど一貫して幸福度も高いみたいなんですな。
……が、近ごろはやや状況が変わりつつありまして、「内向人間が不幸ってわけでもないんじゃない?」って考え方もチラホラ出てきたりしております(だいたい2000年代の初期ぐらいから増えてきた,R)。かくいう私もゴリッゴリの内向人間なんで、まことに喜ばしいことですね。
近ごろ出た研究(R)もそのひとつで、メルボルン大学がオーストラリアに住む349人の男女を対象にしたもの。その内訳は、以下のようになってます。
- 58%が現地で生まれた人
- 42%が東南アジアなどから移住してきた人
ここでピンときた方もいらっしゃいましょうが、研究チームは「内向人間の幸せって文化に影響されてない?」と考えたわけです。基本的に、オーストリアは外向的なキャラを良しとされる文化で、東南アジアは和をもって尊しとなすな文化なんで。
研究では、被験者にオンラインでアンケートを取って「内向的かどうか?」「どれぐらい幸せか?」などをチェック。なかでもポイントは、
- 「自分は外向性が足りないのだ……」と信じてるかどうか?
ってポイントを調べたところでしょう。内向的だから不幸なんじゃなくて、たんに「外向的にならないと!」って思い込みが良くないんじゃないか?と研究チームは考えたわけっすね。
果たして結果は予想どおりでして、
- 「自分が住んでいる国では外向性が大事なのだ……」と思ってる内向的な人ほど不幸!
- 内向的な人でも、別に外向的になろうとしてなければ、幸福度は普通に高い!
だったそうな。要はすべて思い込みの問題じゃないのか、と(もちろん観察研究なんで因果は不明ですけどね)。
ちなみに、似たような傾向は2014年のデータ(R)でも確認されてて、研究チームはこう言って入られます。
西洋的な価値観が強い学校、大学、職場などでは、外向的な行動がよしとされがちだ。しかし、内向的な人間も、自分が置かれた環境で十分な幸福を達成できる。
大事なのは、自分の内向性に対して健康的な考え方を養うことだ。そのためには、内向人間の強みを学び、セルフアクセプタンスの態度を養うのがポイントになる。
とのこと。内向人間の強みってのは、
- 物事をよく考える
- 他人の話をよく聞く
- 物事の細かいとこに気づく
とかそのへんの能力です。まずはここらを飲み込んだうえで、アクセプタンスを鍛えていくのがよさげ。個人的にも、ここ4〜5年ぐらいは自分の内向性に抵抗しないようになりまして、だいぶ気楽ですねー。