今週の小ネタ:脳機能の低下が防げる飲み物、ITスキルが高い人の特徴
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
あの飲み物で脳機能の低下が予防できるかもだ!
まずはラ・コロンビエール病院の研究(R)で、7,017人の男女を4年ほど追いかけた観察研究になります。ここで何をチェックしたかというと、
- 認知機能の変化
- カフェインの消費量
の2つです。つまり研究チームは、「カフェインって脳にいいんじゃない?」と考えたわけっすな。
その結果をざっくりまとめると、
- 80歳を過ぎた男女の場合、1日3杯のコーヒーを飲むと、コーヒーを飲まない人より認知症リスクが70%下がった
- 65歳を過ぎた男女は、1日3杯のコーヒーで認知症リスクが30%下がった
って感じで、お年を召した方ほどコーヒーで脳機能が落ちにくい傾向があるんだ、と。
研究チームいわく、
このような結果が出た生物学的な影響については、いくつかの仮説がある。しかし、カフェインが脳にあたえる影響を判断するにはさらなる研究が必要だろう。
ともあれ、この結果は非常におもしろい。カフェインは手に入れやすい物質だし、認知症の対策としては他の方法よりも副作用が少ない。
とのこと。というと、「コーヒーのポリフェノールのおかげもあるんじゃない?」って疑問もわくでしょうが、純粋にその他のカフェインだけで数値を出してみても、認知症リスクの低下が確認されたらしいんですな。おもしろいもんです。
まぁこれで「脳の働きを保つためにカフェインをとりまくろう!」とは言えないわけですけど、試すぶんにはよろしいのではないでしょうか。
ITのスキルが高い人ってどんな性格なの?
次はオスナブリュック大学の研究(R)で、「ITのスキルが高い人ってどんな性格なの?」って問題を調べたものです。ここでいうITスキルってのは、
- プログラムがガンガン書ける
- 最新のガジェットをガンガン使いこなせる
みたいなタイプのことです。なんとなくギークで内向的なキャラが浮かびますけど、果たしてこのイメージは正しいのか?って問題ですね。
で、ここでは1974〜2014年のあいだに出た論文から1695人分のデータを抽出。それぞれのビッグファイブや知能レベルとITスキルの高さを比較したメタ分析になっております(例えば、被験者が書いたコードのエラー数なんかをみたらしい)。
さて、その結果を箇条書きにしますと、ITスキルが高い人ってのは、
- 知性が高い(これは当然でしょうな)
- 内向性が高い(他人とワチャワチャするのが苦手な人っすね)
- 誠実性が高い(マジメでコツコツやれる人がいいってことですな)
- 開放性が高い(好奇心が強い人はプログラマー向きみたい)
といったところ。いずれも「あー、やっぱりねー」みたいな結論ですけど、ちょっとおもしろいのが各要素の影響力の強さであります。ざっくり言うと、
- 開放性 >>知性>越えられない壁>>誠実性=内向性
みたいな感じだったんですよ。つまりITスキルに最も必要なのは知性や内向性ではなく、純粋な好奇心なんだ、と。なんか納得。
まぁ開放性が高い人は頭もいい傾向があるんで、好奇心と知性がお互いに良い影響を与えあってるのかもしれませんんね。