好きな音楽を聴くと筋トレのパフォーマンスが激増して効率アップだ!という実験
運動の効率を上げるには音楽がいいよーってのは、直感的にも科学的にもよく実証されてる話。無音でランニングするよりは、確実に音楽があったほうがいいですんもんね。
でもって新しい論文(R)では、「筋トレに効く音楽とは?」って問題を調べてくれてておもしろかったです。
これはサムフォード大学の研究で、週に2〜3回の筋トレをやってる男性12人が対象。自重の1.35倍のベンチプレスをあげられる人を対象にしたそうで、結構なレベルの筋トレ好きっすね。
実験の内容はシンプルでして、
- まずは全員の最大ベンチプレス能力(1RM)を計測
- 好きなジャンルの音楽を聴きつつ、1RMの75%で疲れきるまでベンチプレス
- 興味がないジャンルの音楽を聴きつつ、1RMの75%で疲れきるまでベンチプレス
って感じになっております。この実験で使われた音楽のジャンルは、
- ロック/ハードロック
- ヒップホップ
- ポップス
- リズム&ブルース
- カントリー
- ダンス/エレクトロニック
という6パターンでして、ジャズやクラシックは採用されなかった模様(当然っちゃ当然ですな)。
でもって、音楽を聴いている最中に、平均的なバーベルの上げ下ろしスピードなどを調べたところ、結果はこんな風になりました。
- すべての指標おいて、好きな音楽を聴いたときのほうがパフォーマンスは上がる!
「すべての指標」ってのがどんなもんかと言いますと、
- ベンチプレスの回数(0.84)
- 主観的なモチベーション(5.90)
- バーベルの上げ下ろし速度(1.60)
- バーベルの最大上げ下ろし速度(0.99)
- 平均パワー(0.55)
- ピークパワー(0.35)
などを意味しております。それぞれの数値は効果量をあらわしてまして、いずれもかなりの違いを示してますなー。
とくに我々が筋トレをする際に美味しいのは「ベンチプレスの回数アップ効果」でして、興味がない音楽を聴いたときの数字が8.9 ± 1.8だったのに対して、好きな音楽を聴いた場合は10.58 ± 2.07になったそうな。言わずもがな、筋トレの効果を上げるにはボリュームアップが大事なので、これは非常にナイスな結果ではないかと。
まぁこれはコントロール群がない実験なんでデータとしては甘いですし、被験者のうち11人がヒップホップを選んだって偏りもありますんで、もう少し追試が必要ではありましょう。とはいえ、たんに好きな音楽を流すだけなら害もないでしょうから、筋トレの効果アップのために使うのは良さげですねー。