12週間で体脂肪10%減!筋肉5%増!を目指す「タンパ大学式」筋肉トレーニング
世の中には筋トレの論文がたくさんありますが、中には細かいトレーニングメニューを掲載しているものも多く、いろいろと参考になります。当ブログでは、過去に筋トレ初心者向けの「ベイラープロトコル」を紹介したことがありました。
で、今回取り上げるのはタンパ大学による論文(1)です。実験に参加したアスリートは20名で、12週間で体脂肪が10%減り、筋肉が5%も増えたというからなかなかのもの。筋トレの効果が出にくくなってきた中級〜上級者に適した内容になってるかと思います。
もともとはHMBの効果を調べた研究なんですが、アスリートを対象にここまで良い成績が出た実験は珍しいんで、筋トレに行き詰まりを感じている方はお試しになってください。
タンパ大学の中上級者向けプロトコル
タンパ大学が組んだメニューの詳細は以下のとおり。念のために用語を説明しておきますと、「スーパーセット」は2つのメニューを休憩をはさまずに行う方法のこと。表と裏で対になる筋肉を続けて使うことで、効率よく疲労を回復するテクニックです。
また、「1RM」は1回の動きで上げられる限界の重量のこと。「2回は動かせない!」ってレベルの重さを意味してまして、筋トレでは自分の1RMを把握するのが超大事なんですな。わたしはExRx.netさんの「1RM計算機」を使っています。自分が持ち上げられる最大の重要と回数を入れると、自動で1RMを推測してくれて便利。
▼1−8週目(フェイズ1)
- 月曜日
- スクワット
- デッドリフト
- プルアップ→ディップス(スーパーセット)
- ベントオーバーロウ
- ダンベルショルダープレス
- バーベルカール→トライセラトップスエクステンション(スーパーセット)
- 上記のメニューを各3セット × 8-12RMで行う。セット間の休憩は60秒
- 水曜日
- スクワット
- ベンチプレス
- デッドリフト
- 上記のメニューを各5セット × 5RMで行う。セット間の休憩は180秒
- 金曜日
- スクワット(5セット)
- バーベルベンチプレス(5セット)
- デッドリフト
- プルアップ→ダンベルショルダープレス(スーパーセット)
- ベントオーバーロウ
- ダンベルショルダープレス
- バーベルカール→トライセラトップスエクステンション(スーパーセット)
- 上記のメニューを、指定されたもの以外は各3セット × 3-5RMで行う。セット間の休憩は240秒
▼9−10週目(フェイズ2)
- 月曜日
- スクワット
- バーベルベンチプレス
- デッドリフト
- プルアップ→ディップス(スーパーセット)
- ベントオーバーロウ
- ダンベルショルダープレス
- バーベルカール→トライセラトップスエクステンション(スーパーセット)
- 上記のメニューを各3セット × 8回行う。重量は75%1RM。セット間の休憩は60秒
- 火曜日
- レッグプレス
- バーベルベンチプレス
- ミリタリープレス
- 逆手プルアップ→ディップス(スーパーセット)
- ベントオーバーロウ
- ハンマーカール→クロースグリップベンチプレス(スーパーセット)
- 上記のメニューを各3セット × 8回行う。重量は75%1RM。セット間の休憩は60秒
- 水曜日
- スクワット
- バーベルベンチプレス
- デッドリフト
- プルアップ→ディップス(スーパーセット)
- ベントオーバーロウ
- ダンベルショルダープレス
- 上記のメニューを各3セット × 12回行う。重量は65%1RM。セット間の休憩は60秒
- 木曜日
- レッグプレス
- バーベルベンチプレス
- ミリタリープレス
- 逆手プルアップ→ディップス(スーパーセット)
- ベントオーバーロウ
- バーベルカール→クロースグリップベンチプレス(スーパーセット)
- 上記のメニューを各3セット × 12回行う。重量は65%1RM。セット間の休憩は60秒
- 金曜日
- スクワット(1RM)
- バーベルベンチプレス(1RM)
- デッドリフト(1RM)
- 上記のメニューを各3セット × 1回行う。重量は1RM。セット間の休憩は5分
▼11週目(フェイズ3)
- 月曜日
- スクワット
- バーベルベンチプレス
- デッドリフト
- 上記のメニューを各5セット × 5回ずつ行う。重量は40-65%1RMで、できるだけ速く重りを上げ下げする。セット間の休憩は180秒
- 水曜日
- スクワット(3セット)
- バーベルベンチプレス(3セット)
- デッドリフト
- プルアップ→ダンベルショルダープレス(スーパーセット)
- ベントオーバーロウ
- ダンベルショルダープレス
- バーベルカール→トライセラトップスエクステンション(スーパーセット)
- 上記のメニューを、指定されたもの以外は各1セット × 3-5回ずつ行う。重量は90%1RM。セット間の休憩は240秒
- 金曜日
- スクワット
- バーベルベンチプレス
- デッドリフト
- 上記のメニューを各5セット × 5回ずつ行う。重量は40-60%1RMで、できるだけ速く重りを上げ下げする。セット間の休憩は180秒
- 月曜日
- スクワット(3セット)
- バーベルベンチプレス(3セット)
- プルアップ→ダンベルショルダープレス(スーパーセット)
- ベントオーバーロウ
- ダンベルショルダープレス
- バーベルカール→トライセラトップスエクステンション(スーパーセット)
- 上記のメニューを、指定されたもの以外は各1セット × 3-5回ずつ行う。重量は90%1RM。セット間の休憩は240秒
- 水曜日
- スクワット
- バーベルベンチプレス
- デッドリフト
- 上記のメニューを各5セット × 5回ずつ行う。重量は40-60%1RMで、できるだけ速く重りを上げ下げする。セット間の休憩は180秒
- 金曜日
- スクワット(1RM)
- バーベルベンチプレス(1RM)
- デッドリフト(1RM)
- 上記のメニューを各3セット × 1回行う。重量は1RM。セット間の休憩は5分
タンパ大学プロトコルの注意点
そんなわけで、なかなかハードな内容ですねー。
全体的には、フェイズ1で下地を作ってフェイズ2で超ハードに追い込み、フェイズ3で軟着陸していくようなイメージ。くわしい理屈ははぶきますが、期間を区切って細かく重量と休憩時間を変えていく「ピリオダイゼーション」のテクニックが使われております。ここ数年、実証データが多い手法ですね。
すべてキッチリやればかなりの効果が出るはずですが、なにせ疲労度がデカいんで、トレーニング中は適切なタンパク質量のコントロールが必須。体重を細かく計りつつ、体重1kgあたり2gぐらいは摂りたいところです。
もともと、ピリオダイゼーションは筋トレの効果が薄れがちな中上級者に効果的なテクニックですんで、トレーニングに行き詰まりを感じているような方は試してみるといいかも。わたしも気になるんですが、ここまでの時間を費やす勇気がない…。