掃除や洗濯レベルの運動でも、十分に脳が縮むのをふせぐ効果があるらしいぞ
こないだ「家事ぐらいの運動でも早期死亡率はガツンと下がる!」みたいな話を書きまして、あらためて「家事すばらしい!」みたいな気分になったわけですが、新しいデータもやはり「家事すばらしい!」という内容になっておりました(R)。
これはボストン医科大学の研究で、「フラミンガム心臓研究」っていう超定番の健康リサーチデータを使ったものです。調査の対象になったのは平均年齢53歳の男女2,354人で、
- 毎年ごとの脳のサイズが変化どれぐらい変化しているか?
- 日常的にどれぐらい体を動かしているか?
といったポイントを調べたうえで、すべてのデータをひっくるめて分析してくれております。
その結果、なにがわかったかと言いますと、
- 人間は60歳を超えると年に0.2%のペースで脳が小さくなり、そのせいで痴呆症の影響を受けやすくなる
- が、ごく軽い運動の量が1日1時間増えるごとに、脳の縮小化は1.1年分だけ食い止められる
- ただし、1日5,000歩を歩く人よりも、1万歩を歩く人のほうが確実に脳は大きい
だったそうです。ここで言う「ごく軽い運動」は普通のウォーキングぐらいでOKでして、なんなら掃除や洗濯ぐらいの家事でもいいレベル。従来は「脳を衰えさせないためにはランニングぐらいはしなきゃダメなんじゃない?」と言われてきたんで、急に敷居が低くなりましたね。
研究チームいわく、
ごく軽い身体活動が1時間増えるごとに、脳のボリュームも増える。この相関は、現時点で身体活動のガイドラインを満たしていない人にも確認された。
運動が脳に良い事実はよく知られてきたが、その効果は非常に軽いレベルでも得られるようだ。
とのこと。「身体活動のガイドライン」ってのは「週に150分ぐらいの軽い運動をしましょうねー」ってやつで、いろんな国で「健康を保つのに必要なエクササイズの最低ライン」みたいに言われてるやつです。この基準を満たしてなくとも、家事ぐらいの運動を増やせば脳に効くってのはすばらしいですねー。
ちなみに、同じ研究チームは過去にも似たような調査をしてまして、こちらの結果は、
- 脳を衰えさせないためには40歳からの運動量がめちゃくちゃ大事!
って結果になってたりします。40歳を過ぎても運動量が低い人は、この年齢から急激に脳が縮みやすくなっちゃうらしいんですよ。
その逆もまた然りで、このあたりからガンガンに運動量を増やせば、高齢になっても認知症にはなりにくいそうな。私が本格的に運動を始めたのは35歳からなんで、まぁ滑り込みセーフみたいな感じなんかな……。
いずれにせよ、家事レベルの活動でも脳には良いみたいですんで、張り切って掃除や洗濯をしてみるのもいいのではないかと思われます。どうぞよしなに。