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激しい不安を3週間で「普通」に変えるための食事術

 

食事はメンタルにも超大事!」ってのは「ヤバい集中力」にも「最高の体調」にも書いた話。まぁ心と体は一緒なんで当たり前といえば当たり前の話ではあります。

 

 

で、新しいデータ(R)も食事とメンタルの話で、「鬱と不安に悩む人が健康的な食事を3週間続けたらどうなる?」って問題をあつかっております。

 

 

具体的には20歳前後の男女76人を対象にした実験で、どんな人を選んだかと言いますと、

 

  • DASS-21-D(R)という定番のメンタルテストで7点以上を取った人(7点以上ってのは結構メンタルがマズいレベル)
  • DFS(R)という定番の食事調査で57点以上を取った人(57点ってのはかなり食生活が乱れてると思われるレベル)

 

みたいになってます。いつも不安ぎみで食生活が貧しい人だけに的を絞ったわけですな。

 

 

実験では被験者を「健康食グループ」と「普段どおりの食事グループ」にわけて3週間の介入を指示。「健康食グループ」には以下の食事内容を伝えたそうな(1カップ=240ml計算)

 

▼毎日食べるもの

  • 野菜を1日5カップ
  • フルーツを1日2つ
  • 全粒粉を1日3カップ
  • タンパク源(脂身の少ない肉、鶏肉、卵、豆腐、豆類)1日170g〜255g
  • 乳製品1日130g
  • 魚を週に200g〜250g
  • ナッツ類1日小さじ3杯分
  • オリーブオイル1ンチ小さじ2杯分
  • ターメリックとシナモン1日小さじ1杯

 

▼減らすもの

 

  • 精製された穀類(パン、パスタ、白米など)
  • 砂糖
  • 脂肪
  • 加工肉
  • ソフトドリンク(砂糖入り)

 

ぱっと見は地中海式に似てますけど、これはオーストラリア政府が定める健康食ガイドラインをベースにしてるそうです。この食事の目的はズバリ「炎症の低下」でして、「鬱は炎症の問題だ!」という近年の傾向を反映した内容になっております(ターメリックとシナモンを推奨してるのも抗炎症が目的)。

 

 

で、3週間後に再びテストを行ったところ、こんな結果になりました。

 

  • 健康食を続けたグループは、メンタルテストのスコアが「ちょっと治療したほうがいいかも?」なレベルから「特に問題ない」レベルまで改善!(それまでの食事を続けたグループには変化なし)

 

  • 年齢、性別、運動量、体型などをコントロールしても、健康食による改善の効果は残った(P = .007)

 

  • 食事内容を精査したところ、メンタルの改善ともっとも強く相関していたのは「加工食品の削減」だった

 

というわけで、数字を見るとかなりよい感じじゃないでしょうか。重度の不安がノーマルレベルに落ち着いたってのはすばらしい成果じゃないでしょうか。

 

 

もっとも、このデータに関する難点を上げておきますと、

 

  • 健康食を最後まで続けられた人が全体の21%しかいない(やっぱメンタルが落ち込んでると健康な食事をするのは難しいんだろうなぁ、という)

 

  • 健康食を続けられた人たちは、かなりプラシーボ効果が効いてそう

 

ってのはありますね。あくまでテストでしかメンタルの変化を測ってないので、「自分は健康的な食事をしたのだ!」って達成感のおかげで不安が改善したって可能性は相当あるんじゃないかと。

 

 

まぁプラシーボにせよメンタルが改善するのは良いことなので、メンタルを改善したい方は上記したメニューを続けてみるのも十分にアリではないかと思いますねー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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