運動のあとは逆に動いたほうが体は回復する!では、具体的にどれぐらい体を動かせばいいのか?問題
「運動の疲れからリカバリーするにはアクティブリカバリーがかなり効く!」ってのが、現時点での科学の結論なわけです。
アクティブリカバリーってのはエクササイズのあとも軽く体を動かし続ける方法で、運動後になにもせず体を休めるよりも回復スピードが早まるってデータは結構あるんですよ。たとえば、筋トレのあとに軽くジョギングしたりサイクリングをしたりとか、そういうことですね。
といったところで、米国運動協議会から「アクティブリカバリーってどんな感じでやればいいの?」って問題を調べたデータ(R)が出てまして、実生活に使えそうでいい感じでした。
この研究は3つの実験で構成されていて、まずひとつめの実験では持久トレーニングとアクティブリカバリーについて調べてます。具体的にはこんな感じ。
- 15人の参加者に有酸素運動をしてもらう(呼吸がゼエゼエ言い始めるぐらいの負荷で、走れるだけ走ってもらったらしい)
- 1時間の休憩
- 再び同じ有酸素運動をしてもらう
って感じで運動を指示しまして、その際に2パターンの休憩法を試したんだそうな。
- アクティブリカバリー=ゆっくりしたジョギングを15分やってから、45分なにもせず休む
- 普通の休憩=60分間なにもしないで休む
というわけで、アクティブな休憩と受け身な休憩の差を調べたわけですね。ふたつめの実験も似たような感じで、参加者たちに「負荷の高いサイクリング」を指示して、持久力とパワーがどれぐらい変わるかをみております。
結果、どんな違いが出たのかと言いますと、
- アクティブリカバリー:休憩後の運動で持久力が4.1%下がり、パワーは0.8%下がった
- 普通の休憩:休憩後の運動で持久力が11.8%下がり、パワーは5.7%下がった
だったそうで、わりとハッキリした違いが出ましたね。これだけの差があるなら、必ずアクティブリカバリーは取り入れるべきだと申せましょう。
で、さらに3つめの実験は「どれぐらいの負荷でアクティブリカバリーをすべき?」ってとこを調べてくれていて、
- 参加者に音を上げるまで全力ダッシュをしてもらう
- その後、「快適にジョギングできる範囲内」での最高スピードを出しつつ20分走ってもらう
- また別のタイミングでは、「快適にジョギングできる範囲内」での最高スピードから80%か90%ぐらいの遅さで20分走ってもらう
みたいに、いろんなパターンでアクティブリカバリーを試したんだそうな。それでどんな違いが出たかと言いますと、
- 快適にジョギングできるスピードから80〜90%ぐらいの速度で走るのがベスト!
だったそうな。普通のジョギングよりも、ちょい遅めに走ったほうが体力は回復しやすいみたいっすね。
研究チームいわく、
休憩のためにより多くのエネルギーを使うという発想は直感に反するかもしれないが、アクティブリカバリーを正しく行うことができれば、シンプルに休むよりも2〜3倍もの効果を得られるのだ。
ただそ。アクティブリカバリーを行う際は、あるレベルの負荷を超えてはいけないようだ。あまりに負荷が高いと、アクティブリカバリーの効果が下がってしまう。
ポイントは大きく2つで、
- 運動が終わったらすぐにアクティブリカバリーを行う
- アクティブリカバリーの負荷は、ごくごく心身が快適なレベルで行う
といったところだ。
ってことですんで、エクササイズの回復スピードを速めたい方はぜひお試しくださいませー。