このブログを検索

「脳の劣化を防ぐには最低でもこれぐらいやっといてね!」というWHOガイドラインの話



脳の劣化を防ぐには最低でもこれぐらいやっといてね!」ってなガイドライン(R)が、みなさまご存じWHOから出ておりました。WHOが認知症のガイドラインを出すのは初めてなんで、こいつはチェックしておく価値がありましょう。

もちろん現時点では認知症を治す魔法のテクニックなど存在してないわけですが、できるだけ事前に予防しておくのがポイント。WHOがおすすめしてる手法はいろいろあるんですけど、ざっくりまとめちゃえば以下のような感じです。


WHOが激しくおすすめする脳劣化の予防法

  • エクササイズ(週150分の中レベルの運動):エビデンスレベルは「中」
  • 野菜・フルーツ・魚の多い食事:エビデンスレベルは「高」
  • 禁煙:エビデンスレベルは「低」


WHOが「状況に応じて」おすすめする脳劣化の予防法

  • 地中海式ダイエット:現時点で認知機能が普通の人、またはちょっと衰えが出た人には効果がある。エビデンスレベルは「中」
  • 過度の飲酒をひかえる:エビデンスレベルは「中」(ただし観察研究オンリー)
  • 減量:中年期に太っている人であれば、減量が認知症の予防になる。エビデンスレベルは「中」
  • コレステロールの削減:中年期にコレステロールが高い人は、数値を下げることで認知症の予防になる。エビデンスレベルは「低」
  • エクササイズ:すでに軽度の認知症が出ている人でも、 激しめの運動によりそれ以上の認知症の悪化を防げる。エビデンスレベルは「低」
  • 認知トレーニング(暗算とか):すでに軽度の認知症が出ている人は、認知トレーニングによりそれ以上の認知症の悪化を防げる……かも。エビデンスレベルは「かなり低い」
  • 血圧の管理:高血圧な人は血圧を下げればリスクを減らせる‥‥かも。エビデンスレベルは「かなり低い」
  • 血糖値の管理:糖尿の人血糖値をうまくコントロールするとリスクを減らせる……かも。エビデンスレベルは「かなり低い」


WHOがおすすめしない脳劣化の予防法


  • サプリ全般:ビタミンB群とかビタミンEとか
  • 社交:社交が脳機能に良いかはまだハッキリしない。ただし、社交が幸福度をアップさせるのは間違いない
  • 抗うつ剤の使用:抗うつ剤が認知症リスクに効くとの証拠はない。ただし、うつ症状を管理するのが脳の健康に重要なのは間違いない


ということで全体的には体内の炎症を下げるのに効くものばかりが並んでまして、このブログをお読みの方であれば、「そりゃそうでしょうねぇ」みたいなラインナップじゃないでしょうか。


その意味で驚きはないものの、「とりあえず最低でもここらへんはやっとかないと、他にどんなことをしても焼け石に水だよ!」というラインを示してくれた点で非常によろしいのではないでしょうか。とりあえず地中海式はやっぱいいよなぁ、ってことで。


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。