今週半ばの小ネタ:スマホに夢中なのは鬱の兆候、IQが高い人はアートが大好き、コリン不足と頭の働き
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
スマホに夢中なのは鬱の兆候?
「スマホに夢中なのは鬱の兆候かもだ!」みたいなデータ(R)が出ておりました。
これは346人の男女(年齢は若め)を対象にした調査で、
- 普段からどれぐらいスマホを使っているか?
- うつ病や孤独感のレベルはどれぐらいのものか?
ってのをチェックしたうえで、3カ月〜4カ月の追跡調査を行ったものになります。その結果がどうだったかと申しますと、
- スマートフォンへを使いまくってる人ほど、3カ月〜4カ月後にうつ病と孤独感のレベルが高くなっていた!
- 一方で、うつ傾向だったり孤独感が強いからといって、スマホの使用量が増える現象は確認されなかった
だったそうです。もちろんこの結果から「スマホが鬱の原因に!」って結論を下すのは無理なんだけど、可能性としてはありえるのかなーという。
研究チームいわく、
もしスマートフォンの依存が鬱と孤独をもたらすのならば、スマートフォンの依存度を減らして、幸福度を維持または改善することができるだろう。
若い成人は人生の過渡期にあるため、精神衛生上の問題のリスクが高い。10代後半の若者はスマートフォンに依存しやすくなるのかもしれないし、うつ病や孤独感に弱いせいで、他の世代よりもスマートフォンの悪影響を受けやすいのかもしれない。
とのこと。まぁ個人的にはスマホが悪だとは思わんのですが、スマホがないとイライラするとか不安になっちゃうような方は注意しといた方がいいでしょうねぇ。
IQが高い人はアートが大好き説
「IQが高い人の特徴はこれだ!」というおもしろ論文(R)が出ておりました。どんな実験だったかと言いますと、
-
146人の男女を集めて性格とIQをチェックする
-
どのような性格とIQが相関しているかを調べる
みたいになってます。どんな性格を持っている人がIQが高いのかを調べたわけで、わりと定番のテストですよね。
で、その結論をいきなり書いちゃうと、IQが高い人にはこんな特徴がありました。
- 知的な興味がある
- 想像力と創造力が高い
- アートへの興味が大きい
- 情緒的・空想的な豊かさがある
- 伝統的なことにこだわらない
というわけで、とにかく昔ながらのしきたりにこだわらず、いろんなことに首をつっこむような人は頭がいい傾向があるみたい。要はビッグファイブでいう開放性が高い状態のことっすね。
ちなみに、上にあげた要素のなかでも特にIQと相関があったポイントは2つであります。
- 知的エンゲージメント
- 抽象的な思考を楽しめること
- 問題に対する新しい解決策を思いつくことを楽しめること
- とにかく読書好き
- 美的エンゲージメント
- 映画館に行くのが好き
- 絵を描いたり見るのが好き
- ダンスや楽器の演奏が好き
ってことで、問題解決と読書が好きってのは頭がいい人の特徴としてわかりやすいですが、もうひとつ知的な人々は美を高く評価しやすく、美意識も強い傾向があったそうな。まぁアートへの興味ってのは、確かに好奇心の指標としてはわかりやすいとこですよね。
コリン不足だと頭の働きが悪くなっちゃうかもだ!という観察研究の話
「コリンが足りないと頭がボケるぞ!」みたいなデータ(R)が出てまして、わりと大事だなーと思ったのでメモ。コリンは細胞膜の主成分になる栄養素で、卵の黄身とか肉類に豊富なやつですな。肝臓でも産生される成分なんですけど、体の必要量には少なすぎるんで、食事からの摂取が必須であります。
これはフィンランドの男性2,497人を平均22年間ほど追跡調査したもので、
- 生活習慣と食習慣を定期的な質問紙でチェック
- 記憶と認知処理に関するテストを定期的に実行
って感じで、みんなの普段の食事と脳の働きの相関を調べたんだそうな。そこでなにがわかったかと言いますと、
- ホスファチジルコリンの摂取量が最も多い男性は、少ない男性に比べて認知症を発症するリスクが28%低い! ついでに記憶力と思考力のテストのスコアも高い!
だったそうで、コリンと脳機能の関係は昔からよく言われてたものの、あらためて確認された感じですね。もちろん観察研究の段階なんで決定的な結論を引き出すには追試が必要ながら、コリン不足が脳にもたらすダメージは警戒し特にこしたことはないんで、やっぱ肉や卵は食べといたほうがいいよなー、という。