マニアックな筋トレテク「予備疲労法」にはどこまで意味があるのか?という実験の話
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「予備疲労法」とか「事前疲労法」とか呼ばれるトレーニングテクをご存じでしょうか? ボディビルの世界では有名なマニアックな手法で、
- 多関節エクササイズをやる前に、単関節エクササイズで特定の筋肉を疲れさせておく方法
みたいなやり方です。
たとえば、ベンチプレスは多関節エクササイズなんで、実践の際は大胸筋のほかにも腕や肩の筋肉も使うことになるわけです。しかし、ここで腕や肩の筋肉が弱いと、それがボトルネックになって大胸筋をうまく刺激できない!なんてことが起こりがちなんですよね。
そこで、予備疲労法では以下のような考え方をします。
- 事前にダンベルフライで大胸筋を疲れさせておく(単関節なので初心者でも狙った筋肉を刺激しやすい)
- 続いてベンチプレスを行うと、腕と肩は疲れてないので効率よく大胸筋を刺激できる!
これだけ見ると、確かに良さそうな考え方ではないでしょうか。私は多関節メインでやってたんで予備疲労法は使ったことがないんですが、おもしろそうだなーとは思っておりました。
といったところで、予備疲労法のメリットを調べたデータ(R)が出てて勉強になりました。
これがどのような実験だったかと言いますと、
- 参加者は31人の男性(年齢は18〜40歳)
- 全体を2つのグループに分けて、半分のグループには普通の筋トレを指示し、残りのグループには予備疲労法を指示
- 予備疲労法グループは、最初にニーエクステンション(1RMの20%)で足を追い込み、その後ですぐレッグプレスに移るという手法を採用
- トレーニングは週に2回のペースで行い、9週間の様子をチェックする
みたいになってます。その上でDEXAで体組成の変化を測ってまして、なかなか良い実験じゃないでしょうか。
さて、その結果を一言でまとめると、こんな感じになります。
- どちらのグループも、ほぼ同じように筋肉が増え、同じように筋力が発達していた!
ってことで、どうも予備疲労法には目立ったメリットが確認されなかったみたい。ちょっと意外ですねぇ。
そんなわけで、まだjury is still outな段階ではありますが、個人的には「まぁいままでどおりでいいかな……」という気になりました。もちろん理屈の上では予備疲労法が効く可能性はあるので、「どうにも腕が弱すぎて大胸筋が刺激されてない気がする」みたいなお悩みがある方は試してもいいかもですが。