「多関節 vs. 単関節エクササイズ」本当に筋肉に効く筋トレはどっちだ?みたいな研究
https://yuchrszk.blogspot.com/2018/04/vs.html
昔から「多関節と単関節エクササイズはどっちが優秀?」みたいな議論があるんですよ。どういうものかと言いますと、
- 多関節エクササイズ:一度の動作でいろんな関節を曲げる筋トレ。スクワットとかデッドリフトとか
- 単関節エクササイズ:一度の動作でひとつの関節だけ曲げる筋トレ。バーベルカールとか
みたいな感じです。運動の際にどれだけの関節を使うかを問題にしてるわけですね。
では、なんで両者の間で議論があるかというと、
- 多関節すごい派:一度にいろんな筋肉に刺激を与えられるからいい!
- 単関節すごい派:特定の筋肉に集中して刺激を与えられるからいい!
みたいな考え方に分かれてたりします。なんかどちらもわかるような気がしますな。
さて、そんな状況下で、「多関節 vs. 単関節!真にナイスな筋トレはどちらだ!」って実験(1)が出まして、非常に楽しかったです。
これはイタリア・バドバ大学などの実験で、32人のアマチュアフットボーラーが対象。みんな男性で、特に筋トレの経験がない人を選んだとのこと。
実験期間は12週間で、全員に週3の筋トレを指示。その際に、参加者を2つのグループに分けて、以下のメニューをこなしてもらったらしい。
- チーム多関節:ベンチプレス、デッドリフト、クランチ、レッグプレス、スクワット、ミリタリープレス、ラットプルダウン、シーテッドロウ、カーフレイズなど
- チーム単関節:ダンベルフライ、チェストマシン、バイセップカール、レッグカール、ニーエクステンション、ダンベルラテラル、プルオーバーなど
それぞれのメニューは15回3セットずつ。もちろん、どちらのグループとも同じ筋肉に刺激が行くように設定され、さらにはトータルのボリューも同じになるように調整されております。じゃないと比較になりませんもんね。
でもって、実験後の変化はDXAで体型をチェックし、加えて最大酸素摂取量を調べて心肺機能がどれだけ向上したかもみております。その結果を並べていきますと、
- チーム多関節の方が……
- 体脂肪が多く減っていた(p=0.09)
- 筋肉も多く増えていた(p=0.08)
- 最大酸素摂取量の増加度も高かった(p<0.05)
- 胸と足の筋力も大きく増えていた(p<0.05)
といった感じになっております。いやー、まさかの多関節完勝ですね。ここまでハッキリした違いが出るもんなんですなぁ。
そんなわけで今回のデータを見てますと、
- やはり筋トレは多関節エクササイズが基本!
- まぁ単関節は神経系の疲労が少なそうだから、多関節に疲れた時のサポートにいいかも
ってとこでしょうか。そう考えると、やっぱマシンをメインにしたトレーニングは不利なんでしょうかねぇ。