モテるためには「笑顔」はどこまで大事なのか?問題
「モテたきゃとりあえず笑顔だ!」みたいな考え方があるわけです。そりゃあ不機嫌な人より笑顔の方が印象はいいんで、いかにもモテやすそうではありますな。
が、最近のデータ(1)では「いつも笑顔がモテるわけじゃないんだよ!」って話になってておもしろいです。
これは専修大学などのチームが行なった実験で、日本、ノルウェイ、イタリアから218人の女性を招いたもの。全員に対して、
- 笑顔
- ニュートラルな顔
という2パターンの表情を浮かべた男性の顔写真を見てもらった上で、
- 短時間のデートをしたいのは誰?
- 結婚も視野に入れた長期の関係を結びたいのは誰?
と尋ねて採点してもらったんですね。すると、結果は必ずしも笑顔の勝利じゃありませんで、
- サクッとデートをしたいのは「ニュートラルな顔」
- 結婚まで考えるなら「笑顔」
って違いが出たんだそうな。「男性と軽く遊びたい!」と思ってる女性に対しては、実は笑顔じゃない方がいいわけっすね。
研究者いわく、
長期的な関係においては、笑顔は男性の魅力を高める。しかし、短期的な関係においては違う。
長期的なパートナーに対して笑顔の効果が高苦くなるのは、東アジアだけでなくヨーロッパの被験者にも確認された。
また、ニュートラルな表情に比べて、笑顔には「男性らしさが低い」「信頼感がある」「成熟している」といった印象を与える作用があるようだ。
とのこと。笑顔の男は信頼されやすいんだけど、一方では男らしくないと思われちゃうデメリットもあるんだ、と。
当ブログを長くお読みの方ならお気づきでしょうが、これは進化の過程で出来上がったシステムであります。ざっくり説明すると、
- 長期的な付き合い=信頼できそうな男の方が子育てに参加してくれそうなので、優しい笑顔の相手を好むように進化!
- 短期的な付き合い=男らしい人の方が生存に有利な遺伝子を持ってるので、笑顔を下に見るように進化!
みたいな感じです。さらに研究者いわく、
社交的で協力的なキャラクターは、長期的な関係を結ぶために有効だが、短期的な関係にはさほどの重要性がない。長期的な関係性には「子育て」が必須だが、短期的なら関係がないからだ。
長期的な関係においては、女性はより「信頼性」に重きを置いた方が子育てには有利になる。さもないと、妊娠中や出産後に、子育てのリソースを失ってしまいかねない。
ってことで、なかなか笑顔も一筋縄じゃいかんもんですな。
もっとも、この傾向はあくまで男性だけのものでして、2011年の論文(2)などでは「女性の場合は笑顔であればあるほどモテる!」って傾向が出てたりします。女性は笑顔の使い分けは必要なさそうっすね。