ほうれん草の「あの成分」で脳機能がアップ!注意力33%向上!みたいな実験
「頭を良くしてくれるようなサプリってないの?」ってのは昔からあるテーマですけど、近ごろちょっと熱いのがルテインとゼアスタキサンチンであります。
ルテインは緑黄色野菜にふくまれるカロテノイドの一種で、抗酸化作用の強さは折り紙つき。ゼアスタキサンチンはルテインが体内で変換されてできあがる物質で、やはり高い抗酸化能を持ってたりします。
ルテインは若者の頭を良くしてくれるのか?
でもって、ルテインがおもしろいのは、やたらと人間の脳内の量が多いとこ。なので、「脳の神経を守る働きをしてるんじゃない?」と考えられて来たんですよ。実際、過去にも「ルテインで高齢者の脳の働きがアップ!」ってデータは出てまして、なかなか有望な感じはしてたんですね。
ただ、これまでのデータはあくまで高齢者がメイン。果たして、まだ脳神経の衰えが少ない若者にもメリットはあるの?ってのは未知数だったわけです。若者への脳に良い影響が確認されないと、「ルテインは真に脳に良いのだ!」と言えないですからねぇ。
ってことで、近ごろ個人的に「おっ!」と思ったのがジョージア大学の論文(1)で、ついに若者に対してルテインの効果をチェックしたデータが出たんですよ。いいですねぇ。
ルテインを1年飲み続けてみたら……
これは51人の健康な学生が対象で、実験期間は12カ月。全体を2つのグループに分けまして、
- 1日に10mgのルテインと2mgのゼアスタキサンチンを飲む
- 同じ量のニセサプリを飲む
って感じにしております。1年も続けたってのが素晴らしいっすね。
では、以下に結果です。
- サプリを飲んだグループは視覚記憶(見たものを覚えとく能力)が23%改善していた!(プラシーボは12%)
- ただし、言語記憶、推論の能力、実行機能、注意力、思考の柔軟性には変化がなかった
だそうです。当然、この結果を見たときは「微妙……」と思ったわけですが(笑)、ここにはちょっとした補足がありまして。
というのも、体内のルテイン&ぜアスタキサンチンの増加量に大きな個人差がありまして、増えた量が多い人には違うメリットも出てるんですね。具体的には、
- 注意力が33%アップ!(プラシーボは0%)
- 推論の能力が20%アップ!(プラシーボは-1%)
といったところ。この変化はなかなかすごい数字ですよね。
ただし統計が弱いところもあるので注意
ってことで「ルテインちょっといいんじゃないの?」と思わせるには十分な実験なんですが、
- 多重比較の補正をやってないので、偽陽性の可能性は結構ある
- P値もレポートされてないので割と不安は残る
- 検出力を計算してないので、被験者のグループ分けが良いのか不明
といった問題もあるんで、今後の研究では覆る可能性も十分にありそう。もしルテインを試したいときは、そのへんをご理解のうえでお使いください。
また、もしサプリ以外でルテインを増やしたいなら、
- 卵
- ほうれん草
- ケール
- レタス
あたりを増やしていくと良いかと思われます。ちょっとサプリを試してみるかねぇ。