ちょっと食べ方を変えるだけで「メンタルが45%も改善」する食事術
当ブログでは定期的に「地中海式ダイエット」ってのをおすすめしてます。ギリシャやイタリア沿岸の伝統食を模した食事法で、とにかくデータ量が豊富。過去には頭が良くなる!」なんて話まで出ていて、個人的にも日々の生活に取り入れてたりします。
そこで、今回は「地中海式ダイエットでメンタルが改善する!」みたいな実験(1)のご紹介です。
まぁこれまでも「頭が良くなる」ってデータはあったものの、どれも観察研究がメインだったんで「関連性がある」ぐらいの話。それに比べて今回の研究は、ちゃんとコントロールされた環境で「うつ病の人が地中海式ダイエットを続けたらどうなる?」って問題を調べていて、精度が高めになっております。
実験の参加者は152人の男女で平均年齢は44歳。みんな、過去2ヶ月の間に中〜大程度のうつ症状に悩んでいる人だけを調べたらしい。
で、全体を2つのグループに分けまして、
- 地中海式グループ:2週間ごとにワークショップに参加して、地中海式ダイエットの方法を学ぶ
- コントロールグループ:2週間ごとにワークショップに参加するが、ゲームで遊んだり読書会を開いたりする
って感じで介入したらしい。つまり、参加者には「あれは食べて、これは食べないで」みたいな具体的な指示を出したわけじゃなく、シンプルに食事法の原理だけを伝えて、あとは自由にやってもらったわけですな。
参加者に伝えられた地中海式のポイントは、おおよそ以下の通り。大量の野菜と魚を食べつつ、肉やワインをたしなむようなイメージですね。
実験期間は3ヶ月で、その後のフォローアップが6ヶ月。参加者のメンタルがどう変わったかについては、
- 鬱や不安がどれぐらい変わったか (DASS- 21)
- 人生の質に変化は出たか(AQoL-8D)
などの指標を使っております。その結果がどうだったかというと、
- 鬱と不安のスコアが45%も改善!(コントロールグループは26.8%の改善)
- 人生の質が30%も改善!(コントロールグループは20%の改善)
- 副次評価では「野菜とフルーツの多様さ」が、もっともメンタルの改善に貢献してたっぽい
ということで、実験開始から3ヶ月でここまでの違いが出たみたい。コントロールグループもそれなりに向上してるのが面白いですが、これはいろんな人と定期的に交流を持ったのと、偶然の作用が大きいんでしょうな(平均の回帰とか)。
また、メンタルの改善には「野菜とフルールが一番大事かも?」ってのも、過去の観察研究を見てると納得しちゃうところです。やっぱビタミンとポリフェノールが大事なのかねぇ。
ちなみに、個人的に「いいね!」と思ったのは、この実験では、参加者に「これを食べなさい!」とは明確な指示をしてないところですね。実際、多くの参加者もそこまで厳格に「地中海式ダイエット」のガイドラインを守ってたわけじゃないんですが、にもかかわらず45%もメンタルが改善してますからねぇ。つまり、ちょっと日々の暮らしに野菜、フルーツ、魚を増やすだけでも結構なメリットが望めるのではないか、と。
そんなわけで、2018年も「地中海式ダイエット」のナイスなデータが溜まっていきますねー。健やかなメンタルを保ちたい方は、上のピラミッドを軽く意識しながら暮らすのもありかもしれません。