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最強食物繊維のひとつ「オオバコ」の素敵なメリットと、使いこなすためのガイドライン

Fiber do

 

過去に「オオバコはなかなか良さげだよねー」みたいな話を書いたんですよ。オオバコの種子から作られた食物繊維で、なんせメタ分析なんかでも効果が出ているのが魅力の一品であります。

 

 

 

もちろん食物繊維の作用は個人差が大きいんで「これを飲むべし!」とは言いづらいんですが、「種類が多すぎてよくわからない……」みたいな人にはファーストチョイスとして良いのではないかと思うわけです。

 

 

で、その後もいろいろ調べてたら、Evernoteの「食物繊維ノートブック」(笑)にオオバコのデータが溜まってきましたんで、ざっくりしたまとめなどを。

 



 

オオバコの素敵なメリット5選

以下はオオバコのメリットについて。データ量が多いものから順に並んでます。

 

 

1 とにかく便秘にはいいよねー

食物繊維が便秘に効くのは確実ですが、なかでもオオバコはデータ量が多め。お腹のなかで水分を吸い込んで、便をやわらかくしてくれるんですな(1)。腸内の潤滑油みたいなもんです。

 

 

具体的には、オオバコは一般的な便秘薬の成分(DSS)より効く!なんて素敵なデータ(2,3)もあったりして非常にいい感じ。ヒトを対象にしたいくつかの研究(4,5)でも、オオバコで便が出るまでの時間が早くなったなんて報告も出てたりします(サンプル数は少なめだけど)。

 

 

特にオオバコがナイスなのは、栄養の吸収をジャマしにくい!って特徴もあるとこですね(6)。当たり前ですが、食物繊維って腸内にとどまり続けるもんなんで、あまり飲みすぎるとビタミンやミネラルの吸収をブロックしちゃうケースも少なくないんですよ。このデメリットが起きにくいのはいいところかな、と。

 

 

2 糖尿の効果もすごいよねー

 

さらにオオバコでデータ数が多いのが「糖尿病に効く!」ってやつ。とにかく糖尿病のメリットを示した論文は多くて、7つの研究から378人のデータをまとめたメタ分析(7)だと、

 

  • 空腹時と食後の血糖値がどっちも下がる
  • インスリンスパイクも改善する
  • そもそもグルコースの吸収を減らしてくれる
  • もちろんHbA1cの数値もガッツリ良くなるよ!

 

って話になってて、糖尿気味の方にとってはまことにありがたい状況になってたりします。ただし唯一の欠点が、メトホルミン(糖尿病の治療薬)の効きが悪くなっちゃうかもしれないとこ。49人を対象にした実験(8)だと、どうもオオバコでメトホルミンの耐性が増えちゃう可能性があるっぽいんですよ。なので、そこらへんは医師と相談しつつお使いください。

 

 

3 ダイエットにもまぁ効きそう

 食物繊維が減量に効くのはほぼ確実なんですけど、オオバコもかなりのポテンシャルを見せてたりします。

 

 

たとえばメタボ患者が対象の実験(9)で「オオバコは満腹感が上がるから体重が減る!」って結論だったり、200人を対象にした実験では1日3gのオオバコを飲んだ参加者が16週間で5kgも体重が減ったとか、わりと信頼できそうなデータが満載。いずれの実験でも、オオバコは食欲のコントロールに効く!ってのが結論になってますね。

 

 

ちなみに2011年実験(10)だと、どんな食事でもオオバコを増やせばとりあえず体重は減る!でも健康的な食事と組み合わせるとダイエット効果がさらにブーストする!って結論が出ております。食事改善のついでにオオバコを足してみるのも良さげですねー。

 

 

4 コレステロールにもいいよ!

 

 たいていの食物繊維はコレステロールの改善に一役買ってくれまして、当然オオバコもナイスな力を秘めております。こちらもすでに2009年にメタ分析(11)が出ていて、21の実験データから1030人分を精査したところ、

 

  • オオバコを長く飲めば飲むほど、量を多くとればとるほど悪玉コレステロールは下がる!善玉コレステロールは増える!

 

って結論になってたり。実験で使われたオオバコのマックスは1日20.4gで、とりあえずこのぐらいなら目立った副作用もなくオオバコのメリットを享受できるみたい。メタボ対策にもかなり効いてくれそうですねー。

 

 

5 高血圧にも効きそうだよ!

こちらはデータ数はまだ少なめなんですが、オオバコで高血圧が改善!みたいなデータも多く出てたりします。たとえば36人を対象にした実験では、オオバコを飲み続けた参加者の最高血圧が5.9mmHgぐらい下がったそうな(12)。この結果は、年齢やアルコールの摂取量、塩分の摂取量などとは無関係に起きるそうな。これも素晴らしい話ですね。

 

 

もうひとつ72人の健康な男女を対象にした実験では、オオバコを12週間ほど飲み続けてもらったところ、実験が終わっても血圧が改善したままだったそうな。どうもオオバコの効果はかなり長く続くみたいなんですな(13)。

 

 

オオバコの大事な注意点

かようにオオバコは有能な食物繊維なわけですが、なにごとにもデメリットはあるもので、やはりいくつかの副作用は報告されております。いかにそのへんをざっくりと。

 

  • 一時的な腹部の不快感:食物繊維全般に言えることなんだけど、やはりオオバコでも取り過ぎで不快感が出ちゃうケースがいくつか報告されてたりします(14)。あくまで一時的なものではありますが、食物繊維に慣れてない人は少しずつ増やして行くのがおすすめ。

 

  • アレルギー反応が出る可能性も:これはケースレポートの段階ながら、オオバコを吸い込んだナースにIgE抗体が増えてたなんて報告が(15)。ほかにも、40歳の女性がオオバコを2年飲み続けたら、顔が赤くなったり肌にかゆみが出たなんてレポートもあったりとか(16)。これはまだよくわからないとこなんですけど、とりあえずアレルギー体質の方は注意してお使いください。

 

といったところで、どうも一部にはオオバコでアレルギーが出ちゃうケースもあるっぽい。ここら辺は自分の体と相談していただくしかないですねぇ。

 

 

オオバコの使い方

そんなわけで「オオバコいいね!」という話を長々と書いてみました。最後に、上のデータをふまえつつオオバコの用法用量などをまとめときますので、使ってみたい方は参考にどうぞ。

 

  • 体重のキープに使う場合:1日3〜30 g(お腹の調子と相談しつつ)
  • 便秘に使う場合:1日5〜30 g(お腹の調子と相談しつつ。あと子どの場合は1回の使用量が15gを超えないように注意)
  • 糖尿を改善する場合:1日7〜14g(ただしメトホルミンを使ってる場合は医師と相談)

 

みたいなところです。とりあえず、日常の健康維持に使ってみるのもいいんじゃないか、と。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。