骨をスカスカにしないためにはどんな運動をすればいいの?問題
筋トレの目的といえば筋肉と筋力を増やすのが第一の目標ですが、当然それ以外にもメリットはあるわけです。最近だと筋トレのメンタル改善効果などについても少しずつ知見が集まってきてますしね。
で、ここで意外と言われないのが「筋トレの骨密度アップ効果」じゃないでしょうか。筋トレは筋肉だけじゃなくて骨にも刺激をあたえるんで、健康な骨を保つにも役立つわけです。
当然ながら、骨密度が低いと骨折は増えるし、背中とか腰の骨がつぶれちゃったら健康寿命は激減するのも間違いないところ。人生を活動的なまま過ごすには、骨にも気を配る必要がございましょう。
ってことで今回は、「骨に効かせるための筋トレってどんな感じなの?」ってのを調べたデータ(R)のお話です。骨をスカスカにしたいためには、どんな運動をすればいいのかってポイントですね。
これは22名の若い女性を対象にしたテストで、腰椎と大腿骨頚部の骨量が平均以下の人だけを選んだらしい(それ以外の数値は健康)。でもって、実験では全体を2つのグループに分けております。
- インパクト・ローディングを行う
- 筋トレを行う
インパクト・ローディングってのは、パンチやジャンプなどの運動で骨に刺激をあたえる方法で、昔から骨の改善には一定の評価がある手法であります。この実験では具体的にどんなメニューが使われたかというと、
- インパクト・ローディング
- 上半身を訓練するためにパンチトレーニング(ジャブ、ストレート、フック)を行う(たぶんサンドバッグを殴ったと思うんだけど、本文には書いてない)
- 下半身を訓練するためにジャンプ、ホップ、ドロップジャンプを行う
- 筋トレ
- ベンチプレス、オーバーヘッドプレス、ベントオーバーローで上半身を鍛える
- デッドリフト、スクワット、カーフレイズで下半身を鍛える
- 筋トレの負荷は1RMの85%で3〜5回の繰り返しを5セットずつ
みたいになってます。どちらのグループも週2のペースで1日40〜45分間のトレーニングを行ったとのこと。実験期間は10ヶ月で、この手の研究としてはかなり長期にわたってますね。
でもって、全員の変化をDEXAなどで計測したら、ざっと以下のような結果になりました。
- インパクト・ローディングでも筋トレでも、どっちも骨の量と骨密度を改善する効果がある
- インパクト・ローディングは、特に手首と足首付近の骨を改善するのに役立つ
- 筋トレは、特にスネや太ももの骨を改善するのに役立つ
というわけで、どちらのトレーニングも骨の健康は改善するんだけど、最大の効果が得られる部位はトレーニングによって違うみたいっすね。
ちなみに、この実験だと、トレーニングを終えた女性22人のうち19人は骨密度が平均を超えてるのがすばらしいとこですね。平均の骨密度スコアは1.5で、これは同じ年齢の女性とくらべて上位7%ぐらいに入る好成績であります。週2のトレーニングを10ヶ月も続ければ、骨密度についてはかなり優秀なレベルまで届くってことですな。
そんなわけで話をまとめると、
- 骨を鍛えるためにも定期的に1RMの85%ぐらいの高負荷な筋トレをするのはあり(もしかしたらそれ以下の負荷でもいいかもしんないけど、85%ぐらいを目指すのが無難でしょう)
- ついでに、なわとびやパンチなどを組み合わせてインパクト・ローディングもしとくとさらに吉
みたいな感じになりましょう。そう考えると、ボクササイズと筋トレを定期的にやってる私の運動スタイルは、骨の健康にはかなり良いのかもですな。