人工甘味料はダイエットに使えるか?もし使えるならどれぐらいの威力があるのか?みたいなメタ分析の話
このブログでは「人工甘味料」について過去に何度も取り上げていて、
- 人工甘味料は体に悪くない!
- というか食欲コントロールにも便利!
なんじゃないかなーぐらいの結論に落ち着いております。もちろん人工甘味料に対する批判はまだあるんですけど、いまんとこは割と不当におとしめられてるなーとか思うもんで。
で、新たに出たメタ分析(R)も人工甘味料の話で、以下の3つの疑問について調べてくれております。
- 砂糖と比べて人工甘味料で摂取カロリーは減るか?
- 水などと比べて人工甘味料で甘いものを食べたくならないか?
- 人工甘味料とプラセボをくらべて食欲はブーストしないか?
基本的には「人工甘味料って逆に食欲を増やすんじゃないの?」ってとこをチェックしてて、ダイエットにお悩みの方や「ついお菓子を食べちゃう!」みたいな問題をお持ちの方には有用じゃないでしょうか。
そのために、先行研究から51の研究をピックアップして、上記のポイントを調べてみたところ、以下のような傾向があきらかになっております。
- 平行研究とクロスオーバー研究の両方で、低カロリーの甘味料は約0.5 kgから1.5 kgの範囲で体重減少の効果が見られた
- 低カロリー甘味料を摂取したグループは、1日あたりの摂取カロリーが225~312kcalほど少なかった
- 低カロリー甘味料を摂取した参加者に、目立った副作用は見られなかった
って感じで、全体的に見ると人工甘味料はこれといった副作用もなく、さらには日ごろの摂取カロリーを減らすのに役立つって結論っすね。これを見る限り、いいことしかない感じもしますな。
さらに、砂糖や水との比較を見てみると、
- 「低カロリー甘味料 vs. 水」勝つのはどっちだ?
- 体重に与える影響については、水と低カロリー甘味料のあいだに目立った違いはなかった(クロスオーバー研究でちょっとだけ例外はあるけど)
- カロリー摂取量については、水よりも低カロリー甘味料を使った時のほうが1日あたり平均162kcalほど高かった(ただしクロスオーバー研究では効果が観察されなかった)
- 「低カロリー甘味料カプセル vs. プラセボ」勝つのはどっちだ?
- 低カロリー甘味料とプラセボを比べた場合、体重の変化に有意差は認められなかった。BMIの変化には非常に小さな差があり、低カロリー甘味料グループはBMIの増加がわずかに大きかった。
- その他の特記事項
- 試験期間、盲検化、食品形態(飲料か飲食物か)、または資金源の効果は観察されなかった
- 砂糖を低カロリー甘味料で239kcal置き換えるごとに、体重は平均12週間で~1.06kg減少した
みたいになってます。微妙によくわからんとこがありつつも、ざっと見渡せば「人工甘味料は良い!」と思わせる結論じゃないでしょうか。砂糖菓子ひとつの代わりに人工甘味料でしのぎ続ければ、12週間で1kgずつ痩せるってのは十分に意味がある数値ですしね。
つまり、上記の話をざっとまとめると、
- 人工甘味料は砂糖を使った菓子の置き換えに使うと良い
- 人工甘味料を使ったからといって追加でカロリーが増えるわけではない
- 人工甘味料の企業による出資が結果に影響してるってこともない
- 副作用の可能性も非常に低い
ということでして、わりといろんな疑惑が払拭されたんじゃないかと。全体的にバイアスの可能性は低いものの、出版バイアスがあるかなーと思わせるとこもちょっとありますが。
ただ、総合的に見れば「人工甘味料は置き換えダイエットに使う価値がある!」とは言えそうでして、菓子の魅力にお悩みの方はお試しいただくといいんじゃないでしょうか。