よく働く頭脳を手に入れたきゃアレだ!アレをするのだ!みたいな観察研究の話
脳を健康に保つためには、食事やら運動の改善が必要なのは言うまでもない話。でもって新しいテスト(R)では、「脳を健康に保ちたければ家事だ!」って話になってておもしろかったです。
これはベイクレスト大学などの研究で、66人の高齢者を対象にしたもの。脳の機能が高くて健康な人だけを選んだそうな。
実験の内容はシンプルで、
- みんなの健康レベルと認知機能を調べ、脳の構造も撮影する
- みんながどれぐらい家事をやってるかも調べて、脳機能と比較する
みたいになってます。研究としてはわりとゆるめですが、過去に家事と脳の関係を調べたデータってほぼないので、そこそこ貴重な調査になってるんじゃないかと。
ちなみに、ここで言ってる「家事」ってのは、
- 片付け
- 掃除
- 洗濯
- 食事の準備と後片付け
- 買い物
- 庭仕事
- 家の修理
- 介護
といった作業をふくんでいて、キツいものからヘビーなものまで多様なタスクを扱っております。
その結果をざっくりまとめちゃうと、こんな感じになります。
- いつもどれぐらい運動をしているかにかかわらず、家事をたくさんしている人のほうが脳が大きい
- 特に海馬と前頭葉のサイズが大きい傾向が見られた
ご存じの通り、海馬は記憶や学習に大きな役割を果たしている脳のエリアで、前頭葉はものごとを考える際に必要なエリアです。この2つが大きいってことは、思考力や記憶のレベルが高いと考えられるわけっすね。
研究チームいわく、
運動が脳に良いのはすでに有名だが、家事にも同じことが言えることを示したのは、今回の研究が初めてだ。
家事は多くの人にとって日常生活の中で自然で必要なことなので、より達成感を得られやすいだろう。
とのこと。もちろん「家事をするから脳が大きい」んじゃなくて、「脳が大きい人ほど家事をしやすい」って可能性も捨てきれないわけですが、
- 心臓の健康は脳の健康と密接に関係していることがわかっており、家事は強度の低い有酸素運動をやったのと同じぐらいのメリットを得られる可能性が高い
- また、家事をこなすには細かい段取りを組む計画性が必要なので、この作業が脳トレになってる可能性もある
ってことは十分に考えられるんで、まぁ家事をやって頭が良くなってもおかしくないんじゃないかと。
ちなみに、ここ数年は家事のメリットを讃える研究が多く出ていて、
といったあたりは押さえておくと良いかもしれません。家事と脳機能については、「これぐらいの家事を何分やればOK!」みたいなガイドラインを出せる状況ではないものの、「いま脳機能が上がってるぞ!」と思いながら実践することでめんどうな家事へのモチベーションが高まってよろしいのではないでしょうか。