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最強学習法「フラッシュカード」をうまく使うためのガイドライン



 

勉強法に関するご質問です。

 

鈴木さんはフラッシュカードについてどう思われますか?私は良い勉強法だと思っているのですが、使うときの注意点などあれば教えて欲しいです!

 

とのことで、果たしてフラッシュカードの実力がどれぐらいのものなのか、と。

 

 

フラッシュカードは↓みたいな用紙を使う手法で、片面に問題を書いて、もう片面に答えを書くだけ。いわゆる単語帳のことっすな。

 

 

で、まずはフラッシュカードの実力がどうかと言えば、個人的には最も効果的な勉強法の1つだろうと思っております。その理由はフラッシュカードが「検索練習」の実践に役立つからでして、そこらへんについては「最強の学習テクニック「検索練習」再入門」などをご参照いただければと。

 

 

ざっくり言ってしまえば、「覚えたいことを何度も思い出す」のが現時点で最強の勉強法なのだ!って話でして、この要素をふくむ学習法ならなんでもいいんですよ。その意味ではフラッシュカードだけが唯一の方法ではないものの、フラッシュカードは手軽だし、世界史や英単語みたいに事実の記憶を求められる科目にはめちゃくちゃ役立つでしょうね。実際、私も何かを覚えねばならない時は、まずフラッシュカードを作りますね。

 

 

 

フラッシュカードでハマりがちな罠

ただ、フラッシュカードについては、私も長年使っていて「ハマりやすい罠があるよなー」と思うところもありますんで、そこらへんを軽くまとめておきましょう。

 

 

 

フラッシュカードの罠1:質問と答えを1枚にいっぱい書いちゃう問題

フラッシュカードのデッキは、質問と答えを可能な限りシンプルにしぼるのが基本です。フラッシュカードを作ろうとすると、つい欲張っていろんな情報を書き込みたくなるんですけど、これだと脳が混乱するだけなんでデッキは「ひとつの質問にひとつの答え」に絞りましょう。つまり、フラッシュカードは複雑な問題の解決には向いてないので、そこらへんは無理せず別の手法を使うのがベターっすね。

 

 

 

フラッシュカードの罠2:難しい概念もフラッシュカードで学ぼうとしちゃう問題

これは上のポイントとも被るところで、フラッシュカードはシンプルな事実を学ぶのに向いた手法なんで、たとえば「標準偏差とは?」とか「システム思考とは?」みたいな難しい概念の学習を理解するはやめときましょう。まぁ一部にはフラッシュカードで概念を学べる!って主張もあるんだけど、個人的にはマインドマップを使いますかねぇ。

 

 

 

フラッシュカードの罠3:既製のフラッシュカードを使うと効果が下がる問題

現代ではスマホ用のフラッシュカードアプリもいろいろ出てて、たとえばANKIなんかが代表的な例っすね。この手のアプリは「既成のフラッシュカードデッキ」を使えて超便利なんだけど、こればっかやってると学習効率は落ちます(私も昔は既成の英単語帳とか使ってましたが)。

 

 

というのも、既成のデッキってのは、

 

  • 自分の感覚に合わない言葉づかいをしているケースが多い
  • 自分の目的に合わない情報もふくまれてるケースが多い

 

って難点があって、それをチマチマ修正するぐらいだったら自分で作っちゃった方が楽。さらに、自分でいろいろ問題を考える方が脳が刺激されて記憶力が上がる!ってのも、一貫して報告されてるんで、結局はデッキは自作がいいかなーって結論になりました。

 

 

 

まとめ

ってことで、フラッシュカードにありがちな罠を思いつく限り並べてみました。いずれにせよ、フラッシュカードは記憶力を必要とする科目(言語とか生物学とか)を学ぶ際には絶大な効果を発揮しますんで、試したことがないならぜひ使うべきでしょう。どうぞよしなにー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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