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めちゃくちゃ本番に弱い!「あがり」で能力が下がる!という人に役立つトレーニング4選

 

こんなご質問をいただきました。

 

めちゃくちゃ本番に弱いです!試験でもプレゼンでも、本番になると緊張でグダグダです!どうにかなりませんか!

 

とのことで、これは“あるある”ですねぇ。というか、これを書いている私も、3時間後にはテコンドーの昇給試験がありまして、ちょうど緊張が高まりだしているところです。いやんなっちゃいますねぇ。

 

 

で、この問題については、シカゴ大学心理学部教授のシアン・バイロック先生が「なぜ本番でしくじるのか---プレッシャーに強い人と弱い人」って本を出してくれてまして、とりあえずこれを読んでみるのがおすすめです(絶版ですが)。バイロック先生は、昔からチョーキングの問題に取り組んでいる人で、プレッシャーに弱い人には役立つはずであります。

 

 

ってことで、本書を参考にしつつ、個人的に試して「使えるなー」と思った方法を簡単に並べていくことにします。

 

 

抗プレッシャー練習1. 「メンタル耐久トレーニング」

メンタル耐久トレーニングってのは、「普段から小さなトラブルやプレッシャーを味わっておこうぜ!」みたいな考え方です(R)。たとえば、プレゼンで緊張しちゃうなら、まずは友人の前で軽く練習して、次に5人ぐらいの聴衆の前で練習して、それに慣れたら次は聴衆が飽きてる様子を演じてもらったりして……みたいに、少しずつ難易度を上げつつ本番のシミュレーションをしていきうわけです。

 

これはプロのスポーツ選手なんかも取り上げてる手法で、スティーブ・ジョブズさんなんかも、プレゼンのときに似たようなことをやってたとか。私も講演の機会が増えてきたので、近ごろは似たような考え方を取り入れております。ちなみに、トレーニングの難易度をジワジワと上げていく方法については、「セラピストのためのエクスポージャー療法ガイドブック」などが参考になるでしょう。

 

 

 

抗プレッシャー練習2. 「イメージ・トレーニング」

これもアスリートの世界では定番の手法で、頭のなかで本番のイメージを浮かべ、できるだけ詳細に脳内でリハーサルを行うわけですな。ただのイメージといっても侮れないところがありまして、脳内でシミュレーションを行うだけでも、本番で活性化されるのと同じ脳エリアが反応することがわかってるんですよ(R)。

 

また、テニスプレーヤーを対処にした試験(R)でも、詳細なイメトレをした選手は、緊張状態でも有意に不安の量が減ったと報告されてまして、これはぜひ身につけておきたいスキルですな。

 

具体的にイメトレを使う際は、できるだけ鮮明に、詳細に、頭の中でリハーサルを行ってみればOK。その際は、周囲の反応や、上司が言いそうなセリフ、自分が味わう緊張感などを、徹底的に細かくイメージしてみるのがコツであります。

 

 

抗プレッシャー練習3 .「感情の書き出し」

プレゼンの本番が心配なら、事前の10分間を使って、自分の不安や緊張感を紙に書き出す方法です。これまたシンプルな手法ですが個人的にも愛用していて、効果を感じております。

 

こちらも検証データは多くて、たとえば学生に数学の試験を受けさせた実験(R)では、参加者に「テストに不合格になったらがっかりされるよー」「先生や友だちに見られるように、試験中の様子をビデオで撮影するよー」と宣告。プレッシャーを与えたところで、参加者の半分に「テストの前に10分間だけ自分の心配事について書いてみて」と伝えたところ、事前に不安を書き出したグループは成績が平均5%向上したのに対し、何もしなかった生徒はプレッシャーに負けて点数が12%も下がったそうな。

 

このような効果が得られるのは、事前に心配事を書き出すことでテストの状況を客観的に見つめ直せるからで、おかげで脳のリソースが解放されて、集中力が高まるのが大きいんだそうな。これまた、手軽ながら効果が高い手法ではないでしょうか。

 

 

 

抗プレッシャー練習4 .「リフレーミング」

リフレーミングってのは、以前に「「不安」だろうが「興奮」だろうが、カラダに起きている状態はまったく同じ」で書いたことと同じ話です。要するに、本番前の緊張やストレスを悪いものとしてとらえるんじゃなくて、「ワクワクしてきたぞ!」とか「このストレスでパフォーマンスが上がるはず!」みたいに、不安と緊張を良いものとして考えるわけっすね。実際、ストレスってのは人間の集中力を高める働きもあるんで、そこまで悪いものでもないんですよ。

 

この手法を使う際のポイントは、本番前に緊張で心臓が死にそうになっても、自分を落ち着かせようとしてはいけないことです。人間の身体ってのは、強引に緊張を押さえようとするほど、逆に不安が倍増するようにできてますんで。その代わり、「いまワクワクが高まってるぞ!」とか「これは最高のパフォーマンスを出すための準備だ!」と自分に言い聞かせればOKです。

 

 

 

ってことで、個人的に役立った「あがり対策」を4つほどご紹介しました。まぁこれはあくまで私に役立った方法なんで、人によっては「本番前の「ルーティン」で不安が減ることが実験で確かめられた件」や「ストレスに打ち勝つための4つの「脱フュージョン」テクニック」なども使えるんじゃないかと思うわけです。お試しあれー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。