「部屋を掃除しないと人生の質がダダ下がりだぞ!」という話
年の瀬ということで、「部屋が散らかっているとどこまでメンタルに悪いのか?」って話をいくつかまとめてみましょう。こないだは「シンプルな暮らしはメンタルに良い」みたいなエントリを書きましたが、今回はその逆パターンの話です、整理整頓されていない部屋は、果たしてどれぐらい良くないのか、と。
この問題については、近年になって複数の知見が出てきてますので、おもだったものをいくつかまとめておきましょう。年末の大掃除のモチベーションアップにお使いください。
汚い部屋のダメージ1 人生の満足度が下がる
まず参考になるのはニューメキシコ大学の研究(R)で、散らかった部屋が人生の満足感をどれぐらい下げるかをチェックしたものです。研究チームは、「部屋を片づけられない!」という問題に悩む男女を約1,500人ほど集め、自分の部屋の散らかり具合、自分の部屋への愛着度、自分の持ち物に抱くアイデンティティなどを評価したんだそうな。
その結果、なにがわかったかと言いますと、
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部屋が整理されていない人は、家で安心できない傾向があり、人生の幸福感も下がりやすかった。部屋の乱れが行き過ぎると、個人的な苦痛や居場所がない感情が増加してしまう。
だったそうです。部屋が散らかってしまうと、どうしても日々のストレスが増し、最後には人生の幸福度が下がっちゃうわけですね。これはわかりますなー。
汚い部屋のダメージ2 メンタルヘルスの低下
サウスカロライナ大学の調査(R)では、ストレスと幸福に関する過去100年の研究を検証したうえで、以下の結論を出しておられます。
- 近年の研究では、めちゃくちゃ散らばっている職場で働いている人は、どんどんメンタルヘルスが低下していく傾向が確認されている。
- 職場の満足度に関する他の研究でも、従業員が自分の環境を自由にカスタマイズでき、適度に整理整頓ができている職場ほど、メンタルヘルスが改善する。
ってことで、散らかった職場ではストレスがたまるって報告が一貫しておりました。そう考えると、一般的な出版社のオフィスとかは、結構ヤバそうな気もしますね。
汚い部屋のダメージ3 思考の効率が下がる
「メンタルクラッター」って言葉があるんですよ。これは、脳が無関係な情報を抑制できずに、思考の処理力が下がってしまう状態で、トロント大学の研究(R)によれば、「メンタルクラッターは記憶力が下がってしまう最大の原因のひとつだ!」などと結論づけておられます。簡単に言えば、部屋が散らかっていると、室内の雑然とした状態に脳の処理力を持っていかれてしまい、そのせいで考える力が失われてしまうかもしれないってことです。
メンタルクラッターが起きると、短期的にうまくものごとを記憶できなくなるのはもちろんのこと、長期的も人の名前などを思い出せなくなってしまうとのこと。これは難しい問題ですねぇ……。
というわけで、メンタルクラッターを修正するためにも、身の回りのスリム化は必須。散らかった部屋を整理すると、認知能力の改善にも効果があると考えれば、整理整頓のモチベーションも上がるんじゃないでしょうか。
汚い部屋のダメージ4 不健康な食事の量が増える
ニューサウスウェールズ大学などの研究(R)では、散らかったキッチンやダイニングルームのように、雑然とした環境で食事をすると、クッキーやスナックをより多く食べるようになる!と報告しております。汚い部屋で食事をすると、無意識のうちにストレスを抱き、それが過食につながるかもしれないらしいんですよ。
この実験では、111人の参加者を集め、いろんな散らかり方をしたキッチンで食事をしてもらったところ、きれいなキッチンで食事した学生に比べて、汚いキッチンで食事をしたグループは、2倍のクッキーを食べたんだそうな。こちらも怖いですなぁ。
そんなわけで、身の回りをきれいに片付けておかないと、
- 人生に満足できなくなる!
- メンタルヘルスも低下する!
- うまく考えられなくなる!
- 食事もガタガタになる!
みたいなデメリットが出てしまうわけで、なかなか困ったもんでございますね。そろそろ年末の大掃除をするか……。