ギネス記録保持者「脳が持つポテンシャルを最大に引き出す方法はこれだよねー」
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「ブレインハッカー」って本を読みました(R)。タイトルどおり、脳が持つポテンシャルを最大に引き出そうぜ!みたいな本であります。
著者のデイブ・ファローさんは存じ上げなかったんですが、「ランダムに並んだ3,068枚のカードを1回見ただけで覚える」って偉業をなしとげてギネスブックに載った方だそうで、いまは記憶術のコーチをしているとのこと。これは確かにブレインハックの本を書くにふさわしい経歴かもしんないっすね。
記憶術のチャンピオンなので、最初は「記憶の宮殿」に関する話などが書いてあるのかなーとか思いましたが、実際には「脳と身体知」みたいなポイントを掘り下げていて、予想よりもおもしろかったです。
ってことで、ここから個人的に勉強になったポイントを、いくつか見ていきましょうー。
- 動作や姿勢は人間の脳に大きな影響を与える。どんな人でも、背筋を伸ばして腹式呼吸をしながら前を見れば、ある程度の自尊心はわきあがる。
- 同じように、視線を向ける方向も脳に影響を与る。何かを思い出そうとするとき、誰でも自然に上を向くことがあるが、fMRI研究によると、私たちは、視線をより多くの大脳皮質と記憶にアクセスできると考えられる。その理由は不明だが、脳は視線が向く方向に反応している可能性がある。
- 身体の痛みを遮断する方法のひとつに、痛みを視覚化し、それが消えるのをイメージするという手法がある。たとえば、頭痛がする場合は、痛みを赤い塵のようなものだとイメージし、その雲に風が吹いて、ゆっくりと吹き飛んでいくところを想像する。これにより、痛みが消えていくケースは少なくない。
- イメージの力を使ったブレインハックのひとつに、「嫌悪ハック」というものがある。これは、不健康な食べ物を食べたくなったら、その中に髪の毛が入っていたり、虫が這っていたりするのをイメージするというやり方である。それだけでも、食事の悪習が治るという報告は少なくない。
- 私たちの脳は、自分が経験するすべてのものを、他のすべてのものと常に比較して感覚を決め手いる。たとえば、しばらく高速道路を走ったあとで脇道に入ると、突然、スピードが遅くなったかのように感じられるケースである。
この機能により、感情の問題は、他人の期待や他の状況と自分を比較することで起きることが多い。そのため、古代の哲学者であるストア派は、自分の経験を他のあらゆる経験と比べないようにするんが重要だと考えた。このアドバイスはソーシャルメディアの時代には特に重要だと考えられる。
また、グループセラピーなどでは、自分の苦難と同じ経験をした人に出会うと、自分の経験が特別なものではないことに気づかされ、これが癒やしにつながる。自分は悪い意味で特別な存在ではないことに気づき、比較の気持ちが薄れた結果、私たちのストレスは下がり、リラックスすることができる。
- 哲学者のドリー・パートンは、「自分が何者であるかを見つけ、それを目的を持って行う」と言っている。かつては、ほとんどの人が脳の可塑性を信じていなかったが、現在では、脳はいくらでも変化するという考え方が普通になってきている。事実、近年では、脳を損傷して戦争から生還した人たちのために、脳を鍛え、新しいシステムを再生させる回復治療がある。
- そのため、脳のポテンシャルを引き出すには、脳の変化を信じるのが重要となる。自分の脳は変わることができると思わないと、ブレインハックなどおぼつかない。
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脳のポテンシャルを引き出すには、短い間隔で集中し、その後で休息するのが良い。もし何かに真剣に取り組みたいなら、6~8分間ほど集中し、そのあと短時間だけ瞑想や深呼吸で心を完全にクリアにする、というようにメリハリをつけるべき。筆者がギネス記録を立てたときも、短い間隔で自分を追い込んだあと、頭をすっきりさせるために休憩を取る作業をくりかえした。
- 新しい人と出会うのも、脳を刺激し、記憶力を高める良い方法である。アルツハイマー病や認知症の人、あるいはその危険因子を持つ人にとっては「社交」が最大の薬になる。
- 新しいことに挑戦するのも、脳のポテンシャルを引き出すのに欠かせない。具体的には、楽器の演奏を学んだり、新しい言語を学ぶ、ジャグリングを始める、ガーデニングを始める、車のオイル交換をするなど、とにかく自分が上手にできないと思うようなことがよい。
- 極度のストレスのために集中できなかったり、特定の情報を記憶できなかったりする場合には、とりあえず少し深呼吸してみるのがよい。これにより、特定の情報を思い出せる人は多い。