このブログを検索




今週半ばの小ネタ:美男美女に見られたけりゃ正直であれ!紅茶で仕事がはかどるぞ!TikTokとInstagramで不幸になる人の特徴


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

  

 

 

 

美男美女に見られたけりゃ正直であれ!

ルックスを改善したけりゃ正直であれ!」というデータ(R)が出ておりました。生まれ持った顔立ち以外にも、見た目の印象を左右する要素はいっぱいあるんですが、そのひとつとして「正直」も大事なのでは?って話ですな。

 

 

これは新潟大学などの先生方による研究で、4つの実験を行うことで、「性格と見た目の魅力度」の関係を掘り下げたものです。当然、参加者はみんな日本人なので、参考にしやすいのではないでしょうか。

 

 

実験の内容をざっくりまとめておくと、こんな感じです。

 

  • 実験1:日本の大学生65名に協力してもらい、グレースケールの顔画像8枚(男性4枚、女性4枚、すべて東アジア人)を評価させる。その際に、顔写真の人物を「この人は誠実です」と説明するパターンと、「この人は不誠実です」と説明するパターンの2つにわける。

 

  • 実験2:実験1と同じ手順を、より年齢が多様な480名の参加者を対象に実施。新たに16枚のカラー画像を使って、みんなに被写体の魅力度をチェックしてもらう。

 

  • 実験3:117名の大学生に顔写真を見せて、「この人は創造性があります」「この人は攻撃性が高いです」との説明を加えたうえで、被写体の魅力度を評価してもらう。

 

  • 実験4:参加者の気分をチェックしつつ、みんなの気分が魅力度のジャッジに影響するかどうかを調べる。

 

というわけで、基本的には、「性格」によっていろんな人の顔の魅力度が変わるかどうかを調べたわけですね。

 

 

でもって、結果はこんな感じでーす。

 

  • 「誠実な人物」は、「不誠実な人物」よりも「魅力的な顔だ!」と評価された。また、誠実な人物は、より知的、より独立、より野心的でない、より社交的、より好感が持てるという評価も得られた。この効果は、参加者の性別やファッションとは無関係だった。

 

  • 「攻撃的な性格」と説明された人は、顔の魅力が低下した(ただし、これは男性の顔の場合であり、女性の顔の場合には当てはまらないかもしれない)。

 

  • 「クリエイティブな人です」と説明された人は、別に顔の魅力度は変わらなかった。

 

  • 参加者の気分は、顔の魅力度の評価とは関係がなかった。

 

ということで、どうも誠実な人ってのは、生まれつきの顔のパーツがどうあれ、「ルックスが良い!」と判断されやすいらしい。これはルックスに自信がない人には良いニュースかもですね。

 

 

ちなみに、この研究は、あくまで顔の魅力にだけしぼったものなので、その人のトータルな魅力についてはまた別の結果が出るかもしれないところはご注意ください。たとえば、過去の研究では、「創造的な人は魅力が上がる!」って結果も出てたりしますんで。

 

 

 

 

紅茶で仕事がはかどるぞ!という話

紅茶で仕事がはかどるぞ!」ってデータ(R)が出ておりました。

 

 

これは44人の若者を対象にした実験で、

 

  1. みんなにプラセボのドリンクか、または紅茶を飲んでもらう

  2. ドリンクを飲んでから20~70分後に、いろんな作業を行ってもらう

 

って感じで、紅茶が脳のパワーに与える影響をチェックしたんだそうな。すると、紅茶を飲んだグループには、明確なメリットが確認されまして、

 

  • 紅茶を飲んだグループは、そうでないグループよりも作業が正確で、動作のスピードも高かった。

 

  • さらに、紅茶を飲んだグループは、作業の疲労も軽減された。

 

みたいな結果だったそうで、紅茶を飲むことで、みんなの作業効率が上がったらしい。研究チームいわく、

 

これらの結果は、L-テアニンとカフェインのコンビネーションが、難しいタスクに対する集中力をサポートしてくれる可能性を示唆している。

 

とのこと。要はテアニンとカフェインの組み合わせが大事ってことなんで、普通に緑茶でも同じ効果は得られそうですね。これは試しやすくていいですねー。

 

 

 

 

TikTokとInstagramで不幸になる人の特徴

TikTokとInstagramで不幸になる人の特徴を調べたぞ!」って研究(R)がおもしろかったのでメモ。

 

 

これはベイラー大学などの研究で、195人のInstagramユーザー(平均38歳)と225人のTikTokユーザー(平均37歳)が対象。みんなのSNSの使い方を調べ、これに加えて全員のメンタルを比べたところ、以下の結論が見られたそうな。

 

  • TikTokユーザーの24%、Instagramユーザーの28%が依存症に該当した。

  • ソーシャルメディア中毒、マインドワンダリング、FOMO、不安・抑うつと最も高い相関があったのは、「テレプレゼンス」が高い人だった。

 

テレプレゼンスってのは、ある活動に完全に没頭しやすい人を指してまして、TikTokとInstagramでいえば、フィードをスクロールしまくって、次々に現れるコンテンツについのめり込んじゃうような人ですね。

 

 

この研究では、

 

  • TiktokやInstagramを使うと、自分がどこにいて、現在自分の周りで何が起きているのかを忘れてしまうことが多い

  • TiktokやInstagramを使っている間にサイトから生まれる世界は、現実世界よりもリアルだ

 

といった文章に同意できるかどうかで、テレプレゼンスのレベルを計測したとのこと。つまり、SNSへの没入感が強い人ほど、TiktokやInstagramによってメンタルが悪化してしまうのではないか、と。

 

 

研究チームいわく、

 

TikTokユーザーは、Instagramユーザーと比較して、全体的なテレプレゼンスのレベルが高く、また、楽しさと時間の歪みのレベルも高い。人々はTikTokを使用している間に夢中になり、そのせいで他の活動がおろそかになってしまう 。

 

とのこと。一般には、コンテンツへの没入は良いことと言われてたものの、SNSの没入については、他にすべき行動を奪ってしまうせいで、メンタルには悪い方向に働いちゃうわけですな。テレプレゼンスに心当たりのある方はご注意をー。


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

INSTAGRAM