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起きた後の脳のパフォーマンスを最大に高めるベストなアラーム音はこれだ!みたいな研究の話


  

最強の目覚まし音声を作ったぜ!」って研究(R)が出てたんで、内容をチェックしておきましょうー。アラームで目を覚ましてる人は多いでしょうが、特に起床後に脳のパフォーマンスが上がる音声があるというんですよ。

 

 

これはRMITが行った系統的レビューで、「目が覚めても頭が働かないなー」って問題を解決する方法を探ったものです。起床後ってのは脳内の血流が下がってしまうので、寝起きに頭をバキッとさせるためには、こいつをどうにかするしかないんですよね。

 

ってことで、このレビューでは、睡眠と音声に関する先行研究を調べ、「朝にバッキリ目覚めさせてくれる音声とは?」って問題をチェック。そのうえで、だいたい以下のような結論を出しております。

 

 

  • 「メロディアス」なアラーム音は、種類やジャンルに関係なく、「メロディアスでない」音声(ブザーとか)よりも朝の脳の働きをアップしてくれる。メロディアスなアラームとは、マドンナの曲『ボーダーライン』、ミッドナイトオイルの『ウェディングケーキアイランド』、ファレル・ウィリアムスの『ハッピー』のように、歌ったり口ずさんだりしやすい曲を意味する。

 

 

  • 実際、メロディアスなアラームで起きた被験者は、メロディなしのアラーム音で起きた人たちよりも、より速く、より正確な反応を示すことができた。

 

  • メロディアスな音楽は、短い昼寝の後に頭がボンヤリする現象を打ち消すのにも適している。さらに、その音楽を好きであればあるほど、脳の血流アップの効果は大きくなる。

 

  • アラームの有効性は年齢によっても異なり、18歳から25歳の若年層は、高齢者よりも大きなアラームが必要。10代は若年層よりもさらに大きなアラーム音が必要でで、18歳は80歳よりも20デシベルも大きなアラームが必要になることもある。

 

  • ある研究では、2000Hz以上の音声よりも、500Hz前後の音声の方が、幼児を覚醒させるのに適していた。これが大人にも当てはまるかどうかはわからないが、同じようなアラームが有効だと思われる。

 

 

ってことで、全体を見てみると、好きなメロディーの曲をアラームに使ったほうが、起き抜けにもバキッとした脳で行動できそうな感じですね。

 

 

いったん話をまとめると、朝起きるのに役立つアラームの特徴は、こんな感じになります。

 

  • 歌いやすいメロディーで、口ずさみたくなるような曲ほどよい。

  • 500Hz前後の周波数の音声ほどよい。
  • 速すぎず、遅すぎないスピードの曲ほどよい(100~120BPMぐらいが理想的だと思われる)。
  • 若い人(特に眠りの深い人)は、アラームの音を大きくする必要がある。

 

まぁ基本的は好きな音楽を聞いてもらうのがよいと思うものの、さらにこれらの条件を満たしている曲ほどよいとお考えください。

 

 

でもって、以上の知見をふまえたうえで、研究チームは、オリジナルのベストな起床アラームも開発してくれております(R)。その効果は実験でも認められていて、一般的なビープ音のアラームと比較して、起床時や起床後のパフォーマンスを大幅に向上させることに成功したんだそうな。

 

 

そのオリジナルアラームは、研究チームがネットに公開してくれてますんで、以下をご参照ください。なにか「これ」といった音声を思いつかない方は、このメロディーで起きてみるのもいいかもですねー。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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