豆腐のメンタルを劇的に改善するナイステク「親友視点のセルフコンパッション」
このブログでは、しばしば「セルフコンパッション」の話を書いております。簡単に言えば、「自分に対して思いやりをもとうぜ!」って考え方で、自分が失敗したときや恥をかいたときなどに、自らを責めずに優しくしてあげるのが基本です。
その効果については、近年わりと実証データがたまってきてまして、このブログでも過去にこんなエントリを挙げております。
こんな感じで、失敗したときに自分に優しくしてやれるかどうかで、その後のメンタルが良い方向に進むかどうかが決まるわけですね。なので、普段から自分に厳しい人ほど、セルフコンパッションを心がけていくと良い感じです。
が、この話をすると、よく言われるのが「それって自分を甘やかしてるだけじゃない?」って疑問です。たとえば、「勉強をしなければ行けないが、どうしてもやる気が出ない!」みたいな状況のときに自分に優しくしてやったら、「よし!勉強は明日にして今日は遊ぶぞ!」みたいな結論になり、長期的には自分のためにならないんじゃないか、と。
めっちゃ真面目な人ほどこういった感想になりがちで、過去にも多くの方から似たような疑問をいただいております。確かに、自分に優しくしてやれと言われたら、そういう発想になるのは当たり前かもですね。
ということで、この問題の解決に役立つのが、「親友視点のセルフコンパッション」って手法です。セルフコンパッションの大家であるクリスティン・ネフ先生が開発したテクニックで、「自分を甘やかしてるだけじゃない問題」の解決にめっちゃ役立つんですよ(R)。私もいまだによく使っている手法のひとつでして、私のように「仕事がなくなるのが怖くて、つい仕事をしてしまう!その結果、精神の疲労が減らない!」みたいな方には向いてるんじゃないかと。
では、「親友視点のセルフコンパッション」のステップを見てみましょうー。
- ステップ1
まずは、親しい友人を1人ピックアップします。そして、その人物が、過去に何らかのトラブルで苦しんだり、そのせいで自分のことを厳しく批判したときのことを思い出してください。その状況で、あなたは、その友人に何をし、何を言うでしょうか? その答えを考えたら、すべてを書き出してください。 - ステップ2
続いて、あなたが過去になんらかのトラブルなどで苦しんでいたときのことを思い出してください。もし、いま自分がなにかに悩んでいるなら、その事実を使ってみても構いません。この問題に対し、自分に対してどのような行動を起こすように指示するか、自分にどんな言葉をかけてやるかを考えて書き出してください。
- ステップ3
上記のステップを振り返り、友人への対応と自分自身への対応に、どのような違いがあったかを考えてください。違いがあった場合は、なぜそのような違いがあるのかを考えて、あなたが自分と他人に対して違う扱いをしている理由をを書き出してみましょう。 - ステップ4
最後に、自分が苦しんでいるときに、親しい友人にするのと同じように自分に対応したら、どのように事態が変わりそうかを考えて書き出してみましょう。
「親友視点のセルフコンパッション」は以上です。ご覧のとおり、人生でなにか辛いことがあったときに、親友と同じように自分に接し、何が起こるかを見てみるのがこのエクササイズのポイントです。
実際にやってみると分かりますが、たいていの人は、自分よりも他人に対しての方が優しく接してやれるはず。これは研究でも示されていることで、他人に対して「うわー、バカだねぇ!とか「ダメな人間だな!」みたいなことを言う人はほぼおらず、だいたいは「あんま気にするな」ぐらいの声をかけてやるものなんですよ。
でもって、このエクササイズが良いのは、「自分を甘やかしてるだけ問題」にもうまく対応できるようになる点です。上記の例で言えば、「勉強をしなければ行けないが、どうしてもやる気が出ない!」みたいな状況のときに、自分に対して「なんて怠けものだ!」「いつもサボってばかりだ!」みたいに厳しい批判を浴びせてしまったとしましょう。
しかし、ここで「親友が同じ状況に悩んでいたら?」と考えてみると、たいていは「最近勉強をよくサボってるから、できそうなところから手をつけてみたら?」「1日の勉強量を減らして、やりやすくしてみたら?」ぐらいの提案に落ち着くはず。甘やかすわけでもなく、かといって厳しすぎるわけでもない、地に足のついた提案を思いつくことがほとんどなんですよ。
ちなみに、私の場合は、上記のステップをすべて行うことは少なくて、なにかヘコむようなことがあったときは、たんに「この状況に友人はなんと言うか?」と想像してみるだけです。この癖をつけるだけでも、わりとセルフコンパッションは起動しやすくなりますんで、お試しあれー。