人生が整う重要スキル「注意コントロール力」を手軽に高められる5本の動画
このブログでは、過去に何度か「注意訓練」ってトレーニング法を紹介しております。その名のとおり、“注意を向ける能力”を養うトレーニング法でして、その目的は「注意をほどよく散らす」ことです。
というのも、ネガティブな感情が強い人ってのは、「ネガティブな感情の解消」に注意が向きすぎるケースがよくあるんですよ。例えば、
- 仕事で小さなミスを犯した際に、その失敗にばかり意識が向き、そのために本来の業務が滞ってしまう。
- 友人や家族からのちょっとした批判に意識が向かい、どうにかしようと過剰な努力をし、他の大切な人間関係や自分の時間を犠牲にする。
- 「なんか調子が悪い」ぐらいの状態へ極端に意識が向かい、ネットでずっと症状を検索したりして、平穏な日常が損なわれる。
みたいな感じです。このタイプは、気を抜くとネガティブな情報にばかり意識が向いてしまい、なにもしないとどんどんメンタルをやられていっちゃうんですよね。
この問題を解決するために、自分の注意をコントロールする能力を鍛えるのが注意訓練のポイント。私の場合、最近はやらなくなりましたが、10年前ぐらいには毎日のようにやっていて、ネガティブに飲み込まれまくってた状態から、どうにか脱することができたのを覚えております。
もうちょい具体的に言うと、このトレーニングで鍛えるのは、
- 思考や感情をバックグラウンドノイズのように扱いながら、今この瞬間の会話、人、活動、状況に好奇心を持って注意を払う能力
みたいになります。ネガティブな思考や感情を「はいはい、いつもの雑音ね」のように受け流し、 目の前のもっと大事なことに没頭する能力を鍛えるわけですね。ちなみに、この能力が身につくと、他人から好かれやすくなりますんで、「なんか会話がうまくいかない……」 みたいな人にもお勧めです。
ってことで、 注意訓練はわりとオススメなトレーニングなんですが、OXCADATさん(認知療法の資料を提供されている団体)が、実際の訓練に役立つ動画を公開されていてタメになりました。
- Attention gym - auditory
- Attention gym - visual
- Attention gym - crowd scenes
- Attention training - outside scenes
- Attention training - people scenes
これらはすべて注意力トレーニングのために開発された動画で、それぞれを1日1本以上見るように推奨されております。順番としては、まずは1〜3の動画でトレーニングを行い、それに慣れたら4~5に進むと良いでしょう。
ちなみに、1〜3の動画は訓練の説明が映画になってますが、そんな難しいもんでもないので、画面に表示される指示に従うのは難しくないはず。
また、4〜5の動画には何の指示もないですけど、こちらは表示される画面を見つめつつ、ひたすら自分の思考や感情に流されないように、映像に意識を向け続ければOKです。いわば映像を使った瞑想のようなイメージですね。
いずれの動画にしても、自分の思考や感情をバックグラウンドノイズとして扱いながら、動画に現れる映像と音声に没頭するのがポイントなので、気が散ったときはいつでも動画にそっと注意を戻してください。
さらに、これらのトレーニングに慣れたら、好きなミュージックビデオも注意訓練に使うことが可能です。 自分の思考や感情はバックグラウンドノイズとして扱いながら、ボーカル、ドラム、ギターなど、動画内のいろんな要素に焦点を切り替えて、 動画の内容に没頭し続けるわけですね。
これが自然にできるようになってくると、日常のあらゆることが注意訓練の対象になりまして、
- さまざまな音や景色がある場所に行き、10分ほど、自分が見たり聞いたりするものに注意深く目を向け、ゆっくりと、ある光景や音から別の光景や音へと、焦点を交互に変えていく。思考や感情はバックグラウンドノイズとして扱う。
- 毎日少なくとも5分間、 他人との会話に没頭し、自分の考えや感情をバックグラウンドノイズのように扱う。 最初のうちは慣れた人との会話からスタートし、 習熟したら関係性が遠い人との会話に進んでいく。
といった感じで、 日常の出来事で注意訓練を行うのもアリです。私の場合は、会話の最中は大体これをやってます。
私の経験則で言いますと、この時に大事なポイントとしては、
- 自分を批判したり、完璧にしようと力まないこと。
- 思考や感情に集中できなくなったら、「 注意訓練」「好奇心」「ノイズ」などと心の中でつぶやいてからその瞬間の会話に注意を戻す。
- 対話中に不安を感じたら、その不安を「これは会話に戻れという合図だ!」と考える。要は、 社交の不安を、会話に集中するためのリマインダーとして扱う。
といったあたりを念頭に置いておくと、 トレーニングがうまく進むようになるはずであります。 お試しあれ.