コミュニケーションで人生を改善する5ステップはこれだ!という本を読んだ話
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『アスク(Ask)』って本を読みました。
著者のジェフ・ウェッツラー先生は、起業家、経営コンサルタントで、トランセンドの共同CEOだそうな。この本がテーマにしているのは、
- 自分よりも他人のほうがこちらを理解しているんだから、みんな積極的に情報を引き出して行こうぜ!
みたいな感じです。よく言われるように、他人のほうが自分をよくわかっているのは間違いないんだけど、みんなその情報をうまく活用できていないから、それを使えるだけで人生のパフォーマンスが爆上がりするよー、みたいな本であります。そのために、いかにコミュニケーション力を高めるかを指南してくれていて、非常に参考になりました。
では、本書から勉強になったところをピックアップしてみましょうー。
- あなたの周囲にいる人(友人、家族、同僚、顧客、クライアント)は、実はあなたが思うよりも大量の貴重な洞察力、アイデア、フィードバック、経験を持っている。しかし、実際には、彼らの大半は、あなたにアドバイスをしてくれることはない。
たいていの人は、他者のフィードバックやアドバイスをせず、こちらの戦略に盲点があったり、無駄な思考や行動を指摘するのをひかえる傾向がある。そのため、周囲からアドバイスを引き出すのは自分の役目だし、それができれば最強の情報を手に入れることができる。
- そのために有効なのが「アスク・アプローチ」である。アスク・アプローチは、自己認識を深め、より賢明な決断を下し、人間関係に新たな意味をもたらすための、5つのステップで構成されている。
- 1つめのステップは、「好奇心を選ぶ」ことである。これは、「周囲の人が本当は何を考えているのか?何を感じているのか?何を知っているのか?を理解したい!」という欲求を目覚めさせることで、そのように自分に言い聞かせる作業を意味する。
意図的に好奇心を起動させると、私たちのなかでは強力なメンタルシフトが起き、「自分の思考を疑う気持ち」が発生しやすくなる。このメンタルがないと、「友人が電話に出てくれないのは私に腹を立てているからでは?」「同僚が締め切りを守らないのは、私に甘えているからだろう」といった思い込みにとらわれ、自分自身を混乱に陥れてしまう。
これは人間の本能がブーストした結果であり、どんな人でもハマってしまい、目の前の情報が全体のほんの一部に過ぎないことをすぐに忘れてしまう。この罠から抜け出すためには、意図的に好奇心を発動させるしかない。
- 2つめのステップは、「安全な環境を作る」ことである。他者から学ぶためには、意見をオープンに分かち合えるような環境が必要であり、ハーバード・ビジネス・スクールが数十年にわたって行った研究では、私たちは心理的な安全を感じないと、なにも情報を発言しようとはしない。「本当のことを言ったら、この人を傷つけてしまうのではないか、動揺するのではないか、怒ってしまうのではないか……」と恐れる気持ちこそが、多くの人が、本心をあなたに話さない一番の理由だと言える。
この現実を認識すれば、相手ができるだけ安全で、快適で、分かち合いやすい環境を作るモチベーションになる。そのためには、徹底的に相手を批判しない姿勢を保ち続け、相手に何を言われても受け入れるコミュニケーションを続けるしかない。相手が「この人と心からつながっている」と感じられれば、お互いにリラックスして、不快な話題に取り組むことができる。
また、基本的な会話の方法としては、相手に質問をする際は、その質問をする理由を説明するのが重要である。こちらの意図を伝えておかないと、相手に安心感が生まれないので注意が必要である。
- 3つめのステップは、「質の高い質問を投げかける」ことである。適切な質問を適切な方法で投げかけるスキルは、学習と人脈形成のための最も強力なツールだと言える。
質問は非常に強力な手法だが、私たちのほとんどは、実際に良い質問をする方法や、質の高い質問と粗悪な質問を見分ける方法を学んだことがない。そのため、多くの場合、「相手を納得させたい!」「自分の正しさを証明したい!」「相手を非難したい!」とい目的のために質問が使われてしまう。
たとえば、「そう思いませんか?」というようなYes/No形式の質問や、「あなたは何を考えているのですか?」というように人を守勢に立たせるような質問は、価値ある情報を生み出さず、会話を終えてしまう。
それとは対照的に、質の高い質問は、相手への真の好奇心を示し、相手を理解しようとするものである。相手の説得や批難といった下心がない状態で、「この状況において、あなたにとって最も重要なことは何ですか?」や「あなたの考えかたを説明してもらえますか?」と尋ねることで、相手の信念や行動の根底にある論理を浮かび上がらせることができる。
また、「行き詰まっているのですが、この問題を考えるのを手伝ってもらえますか?」「私が見逃していることは何かあると思いますか?」といった質問も、自分自身の推論の穴を見つけるのに役立つ。
- 4つめのステップは、「聞く」である。ある調査によると、96%の人は自分のことを聞き上手だと思っているが、私たちは他人の言葉のほんの一部しか聞いていない。実際には、自分の番が回ってくるまで黙って待っていたり、相手の言葉に穴がないかを探しているだけなのに、「自分は聞き上手だ!」という気分になりがちなケースが非常に多い。
しかし、このような状況でこそ、好奇心に立ち返る必要がある。「この人から何を学べるだろうか?」「相手が何を分かち合おうとしているのだろうか?」という気持ちを意図的に呼び起こし、相手への興味をかき立てるように自分を誘導していくのが良い。
また、ほとんどの人は、他人の「話の内容」にしか耳を傾けないことが多い。しかし、本当に聞くには、「感情」と「行動」という他の2つのチャンネルに注意を払わなければならない。
感情とは、その会話によって、相手がどのような感情を伝えようとしているかに気を配ることを意味する。事実を聞き出すことに夢中になり、感情的な情報に耳を傾けると、コミュニケーションの精度は大幅に低下する。
行動とは、相手があなたとのコミュニケーションを通じて何をしようとしているかを意味する。相手はあなたを説得しようとしているのかもしれないし、何かを手伝ってもらおうとしているのかもしれない。相手の行動に注意を向けることで、相手が表現しようとしていることへの理解が広がるようになる。
- 5つめのステップは、「振り返り」である。多くの人は、会話のなかで耳にしたことについて、すぐに修正、解決、あるいは謝罪を始めたくなるが、実際には、いったん立ち止まって振り返る時間を作ったほうがコミュニケーションはうまく進むこと多い。その際には、以下の3つの質問を自分に投げかけてみるのが良い。
- 相手が話してきたことによって、私の見解や解釈を変える必要があるだろうか? 相手の話によって、自分が考えていなかった状況や、他の結論は見つからないだろうか?
- 私が相手から聞いたことを使って、次にどのような行動を取ることができるだろうか? 自分が聞いたことを使って、何を始めたり、止めたり、継続したりすればいいのだろうか?
- 私が相手から聞いたことによって、私の深い価値観と偏見が変わる可能性はあるだろうか?
- 振り返りが済んだら、その人と再びコミュニケーションを行い、相手とのコミュニケーションによって自分の人生にどのような影響があったのかを伝える。このステップを無視すると、相手は「私は利用された」のように感じてしまい、双方のメリットがなくなってしまう。