実はめっちゃ幸せ?「複数のパートナーと付き合う人たち」のリアルとそのメリット
「非一夫一婦制って意外と幸せだぜ!」みたいなデータ(R)が出ておりました。非一夫一婦制ってのは、複数のパートナーと親密な関係を持つことを指してまして、ポリアモリー やスウィングなどが有名ですね。
このようなパートナーシップには、当然ながら批判も多くありまして。
- 特定の相手と付き合うほうが幸せなはずだ!
- 複数の相手と付き合ってたら嫉妬や感情の問題が起きまくるだろ!
- 複数の相手と付き合うなんて倫理的に問題があるぞ!
みたいな意見はよく耳にするところじゃないでしょうか。
では、実際のところ、非一夫一婦制を実践している人はどんな暮らしをしているのかってことで、研究チームは、過去のデータをサーベイして、以下のようなポイントを指摘しておられます。
ポイント1. “非一夫一婦制”をする人は、どこにでもいる人たちである
「複数のパートナーを持つ人は変わった人なのだ!」みたいな物言いもありますが、米国で8,700人以上が参加した研究によると、非一夫一婦制の人一夫一婦制の人を比べた場合、両グループの年齢、人種、地域、学歴、収入、政治的所属、宗教的信条などには目立った偏りはなかったそうな。
つまり、非一夫一婦制ってのは、しばしば変態的な行為とみなされがちだなんだけど、実際には老いも若きも男も女も、貧しい者も富める者も、ほぼすべてのタイプの人々が実践しているわけですな。
ただ、この研究では、数少ない“偏り”も確認されてはいまして、非一夫一婦制を実践する人たちは、
- 性に関する社会的なルールに挑戦するのが好き
- 新しく多様な経験をすることに関心が高い
って傾向は見られたらしい。まぁそりゃそうでしょうな。
ポイント2.“非一夫一婦制”をする人は、ポジティブなモチベーションで動いている
2021年の研究では、非一夫一婦制を実施する人たちのモチベーションを、6つのテーマに集約しております。
- 自律: 自分で性的な決断をしたい!
- 信念/価値観: 一夫一婦制の束縛から自由になりたい!
- 関係性: 同じような考えを持つ人々のコミュニティに属したい!
- セクシュアリティ: 性的に充足したい!
- 成長: 自分のセクシュアリティを探求したい!
- 実利主義:一夫一婦制では得られないメリットを得たい!
ご覧のとおり、これらのモチベーションはどれもポジティブでして、実際、合意による非一夫一婦制への移行に成功した人の多くは、しっかりとした関係の基盤を持っていることが多いとのこと。これもおもしろいポイントですね。
ポイント3. “非一夫一婦制”の関係性は、意外と質が高い
世の中には、「“非一夫一婦制”は人間関係の質が低い!親密さや愛情が足りない!」みたいな考え方もありますが、2,100人を対象とした研究では、“非一夫一婦制”と“一夫一婦制”の間で、関係の質に大きな違いは見られなかったそうな。
それどころか、非一夫一婦制の関係を続ける人たちは、より大きな信頼、より低い嫉妬、そしてより高い性的満足を報告していて、一夫一婦制より良いケースも多いらしい。
ポイント4. “非一夫一婦制”の関係性は、意外と性的に健康
「“非一夫一婦制”は性的に淫らだから、病気になりやすい!」みたいな考え方もあったりしますが、2015年の調査によると、パートナーの数の違いにもかかわらず、“非一夫一婦制”と“一夫一婦制”のどちらのタイプも、性感染症と診断される割合に違いはなかったんだそうな(およそ5人に1人)。
ポイント5. “非一夫一婦制”の関係性は、子供への悪影響もない
もうひとつ「非一夫一婦制は子供に害を与える」って通説もあるんですが、実際には、実はこの考え方も、さほど芯を食ってはいないらしい。
というか、ポリアモリーな家族に関する長期的な研究によれば、“非一夫一婦制”は子どもにとって有益な場合すらあるんだそうな。具体的には、より大きな経済的サポートを受けることができたり、育児の注意と時間が増えたり、様々なリソースが増大したりといった感じ。
ってことで、いろいろ見てきましたが、どうも“非一夫一婦制”ってのは思ったよりも悪くないし、それどころかパートナーシップの形態としては、メリットがのほう多いような気すらしてきますな。
また、北米のデータによると、
- およそ5人に1人がオープンな関係にある、またはあったことがある。
- しかし、実際に“非一夫一婦制”を行っていることを認める人の割合は少ない(偏見の目で見られちゃうから)
って傾向もあるらしい。もちろん、このタイプの研究は数が少ないんで、まだ明確な結論を出すのは早いんですけど、オープンな関係をしているからといって、その人が"悪い”ってことはないですし、豊かな人間関係を築けているみたいだし、子育てもちゃんと行っているところを見ると、これもひとつの関係性のパターンとしてありでしょうな。