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3つの要素で見抜く!サイコパスの正しい判断方法とは?


 

過去にサイコパスについていろいろ書いていて、「顔を見るだけでもサイコパスって見抜けるのでは?」みたいな話を書いたこともありました。「最強のコミュ力のつくりかた」にも書いたとおり、サイコパスに出くわすと面倒なので、周囲の人が該当しないかどうかを調べておくのは、割と大事なんですよね。

 

で、新しい研究(R)では、「とにかく3つの要素に注目してサイコパスを見抜こうぜ!」みたいな感じの結論になってて面白かったです。まずは研究チームが何を言ってるかをチェックしておくと、

 

人格障害の診断は、DSM-5-TRとして知られる臨床マニュアルの分類にいまだ基づいているが、ビッグファイブの特徴を補足する情報を含められる。

 

みたいになります。簡単に言うと、人間の性格をジャッジしたい時は、通常はみんな大好きビッグファイブを使うことが多いんだけど、これだとサイコパスの特徴を捉えきれないよねーって話です。

 

ビッグファイブモデルによるパーソナリティ判断ってのは、否定的感情、離隔(対人関係を避ける)、脱抑制、精神病性(頭の中で考えていることや体験していることと現実との区別が出来なくなる)みたいな状態はうまく把握できるんだけど、サイコパスに関しては、いまいち当てはまらないところが多いんじゃないか?って問題意識ですね。確かに、ビッグファイブを使ってみても、自責の念の欠如や、衝動的な傾向、反社会的な性質みたいな特徴ってのは、いまいち表現しづらいんですよ。

 

ということで、この研究チームは、サイコパスの新しい判断基準として、Elemental Psychopathy Assessment(EPA)って方法を提唱しておられます。これはサイコパシーを具体的に捉えるために作られた尺度で、もともとは170以上の項目で構成されていたんですが、ここではEPAをさらに改善して、ざっくりと3つの要素に絞りこんでくれてます。

 

この考え方によれば、サイコパスが持つ3の側面は、サイコパス度が高い人に特有の行動を分析したものでして、たいていのサイコパシーに共通して見られる特性なんだそうな。なので、「この人ってサイコパスかな?」と思ったら、とりあえず以下の3つのポイントに注目してみると、正しく判断できるかもしれません。

 

  1. 抑制の欠如: この特性が強い人は、衝動的で無責任な行動をとりがち。自分を抑えることができず、早まったミスをしたり、決断を待たなければならない場面でうまく対応できないことが多め。


  2. 意地悪さ:この特性が強い人は、他者とつながったり親しくなる力が欠けている。そのため、周りの人が困っていても、何ら手助けをしようとしない。


  3. 大胆さ:この特性が強い人は、他の人が恐れるような状況でも、ほとんど恐怖を感じず、脅威に対する身体的な反応も低いです(血圧が上がったり、顔が赤くなったりしない)。

 

ということで、これら3つの要素のどれかが顕著な人は、もしかしたらサイコパスなのかもなーって感じです(別に3つを合わせ持ってなくてもOK)。

 

ご覧のとおり、いずれの要素についても、必ずしも犯罪者や反社に特有のパーソナリティってわけじゃないところにご注意ください。過去のエントリーでも書いたように、サイコパス度が高い人たちは、企業や政治の世界でリーダーを務めているケースが多く、意外と社会的に成功を収めてたりもしますんで(ただし、長期的なリーダーとしては向いてないみたいですが)。

 

また、この研究を見る限り、どうもサイコパシーってのは、ビッグファイブのような一般的な性格モデルとは独立して考えたほうがよさげっすね。無理に従来のフレームワークに当てはめるんじゃなくて、「サイコパス」っていう独自のパーソナリティを持つ人がいるんだと思っておいたほうが、身のまわりにいるヤバい人と見抜く際には有効でしょう。

 

ってことで、サイコパスを見抜きたい時は、上記の3つのポイントに注意してくださいませ。具体的には、上の3つの要素を持つ人は、以下のような行動を取ることが多いので、これらに意識を向けてみると良いかもしれません。

 

  • 抑制の欠如にありがちな行動:
  1. 交通ルールを無視する:赤信号でも急いでいると無視して渡ってしまう。

  2. 仕事の締め切りを守れない:計画を立てずに衝動的に行動するため、期限に間に合わないことが多い。

  3. 高価な買い物を衝動的にする:収支のバランスを考えずに、欲しいものを見たらすぐに購入してしまう。

  4. 人前で感情的に爆発する:怒りや不満が抑えられず、冷静に対応することができない。

  5. 不適切な発言をする:場の空気を読まず、思ったことをそのまま口にして人を傷つけることがある。

 

 

  • 意地悪さにありがちな行動
  1. 誰かがミスをしても助けない:同僚が困っていても、手を貸すことなく見て見ぬふりをする。

  2. 他人の成功を妬む:他人の成果を素直に喜べず、裏で悪口を言ったり妨害しようとする。

  3. 冷たく突き放す:友人や家族が悩んでいても、共感せずに「自分で何とかしろ」と突き放す。

  4. グループで孤立させる:自分に合わない人や嫌いな人を意図的に無視し、孤立させる。

  5. 他人をバカにする:人の弱点を指摘してからかったり、見下した態度をとる。

 

 

  • 大胆さにありがちな行動
  1. 危険なスポーツに挑戦する:他の人が恐れるような高所からのジャンプやスカイダイビングに平気で挑む。

  2. リスクの高い投資をする:他人がリスクを考えて躊躇するような投資案件にも迷わずお金をつぎ込む。

  3. 上司に直接意見する:他の人が恐れて避けるような、上司への強い反論を平然と行う。

  4. 新しいビジネスにすぐに飛びつく:リスクが高くても、見込みがありそうならすぐに新事業に乗り出す。

  5. 危険な場所に一人で行く:治安が悪いとされる場所に対しても恐れずに観光や散策に行く。

 

これらの行動を見せたからといって、必ずしもサイコパスだとは言えませんが、特徴的なパターンではあるんで、ぜひ参考までにー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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