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何かを始めるときは「なにもしない」を選択肢に入れたほうが長続きする


運動やダイエットといった新しい習慣を身につけたいときは、「逃げ道を作らずにとにかくやるべき!」などと言われることが多いですが、最近の研究だとそうでもないらしい。


これはペンシルベニア大の論文でして、モチベーションを上げたいときは『なにもしない』という選択肢を入れておいたほうが、結果的には長続きするんだそうな。


たとえば、運動を習慣にしたいときは、

  1. 自宅で運動
  2. ジムに通う
  3. やっぱり運動をしない


って感じで、なにもしないって選択肢もありえることを意識しておいたほうがいいらしい。


実験は100名の男女を対象に行われたもので、 それぞれに2種類のオンラインテストを受けてもらったんですな。で、1グループは「2種類のテストのうち1つをこなすと報酬がもらえる」と指示し、別のグループには「2種類のテストから1つをこなすか、なにもしないかを選べる」といった指示をした、と。その結果、「なにもしない」選択肢を提示されたグループのほうがテストに取り組む時間が長くなり、平均で30%も成績がよくなったんだそうな。


「逃げ道を断つ」ほうが物事を最後までやりとげそうなイメージがありますが、実際は「なにもしない」ことを意識したほうが、その物事の価値が無意識のうちにアップしてモチベーションが上がるものらしい。うーん、なるほど。


あと、選択肢を2択にしちゃうと、いつのまにか「そもそも、その行動をするのって正しいの?」って視点がどっかに行っちゃうんで、つねに「なにもしない」オプションを用意しておくと中和剤になっていいかもしれませんねぇ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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