考え方を変えて「なまけ癖」を克服するための4つのポイント
https://yuchrszk.blogspot.com/2014/04/blog-post_3.html?m=0
「締め切りを設定すれば先延ばしは克服できる!…わけではない」なんて話を書きましたが、それで思い出したのが「なまけ癖は考え方を変えれば治る!」と主張する2008年の実験[1]。
これは先延ばし癖を克服する方法を調べた研究でして、「ヒトがなまけるのはタスクの解釈の仕方に問題があるのでは?」って考え方がベースになっております。具体的には、
- 抽象的な解釈:例えば、部屋を片づけるときに、すっかりキレイになった机でバリバリ仕事をこなす自分の姿をイメージしたりする感じ。
- 具体的な解釈:机の上に置いたペンをしまって、次にソファに出しっぱなしの服をたたんで…みたいに作業の細部を考える感じ。
といった2種類の解釈のしかたによって、なまけ癖のレベルが変わってるんじゃない?という話です。
で、研究では被験者に簡単なアンケートに答えてもらいつつ、新印象派の画家スーラが描いた2種類の絵を見せてもらったんですな。
1つ目は以下の絵で「秩序と色の使い方で調和と感情を引き起こします」といった説明つき(ザックリした抽象的な解釈)。
もう1枚は男性の横顔で、「点描画の技術が使われており、コントラストの強い色を配置することでイメージを描いています」といった説明つき(細部を語った具体的な解釈)。
すると面白いことに、具体的な解釈をすり込まれた被験者が平均12.5日でアンケートを返したのに、抽象側の被験者は20.5日もかかっちゃったらしい。そんなわけで、なまけ癖を克服するには、まずはタスクの細部に意識を向けるのが得策なわけですね。
ただし注意しなきゃなんないのは、これはあくまで「アンケート調査」みたいに簡単な作業に限るところ。2006年の研究によれば、大きなプロジェクトにとりかかる場合は、抽象的な解釈をしたほうが最後までタスクを放り出さずにやりきれるらしいんですな[2]。なんでも、抽象思考は自己コントロールをアップさせる効果があるかららしい。
したがって、2つの実験のいいとこ取りをしますと、
- 部屋掃除ぐらいの単純作業では、とりあえずタスクの細部に集中するのが吉。
- タスクの規模が大きいときは、最初は細部に集中して作業にとりかかり、あとから抽象思考に切り替える。
- それでモチベーションが下がってきたら、再び細部に集中してタスクを進める。
- プロジェクトが終わりに近づいてきたら、今度は抽象思考に切り替えて最後までやり切る。
といった感じで、いちいち考え方を切り替えつつ仕事に取りかかるのがいいかも。まぁ、そのタイミングを見計らうのが難しいとこではありますが。