結局、グルテンフリー食品は体にいいのか悪いのか?
近ごろ「グルテンフリー食品に『健康効果はない』。提唱の教授が発言翻す」ってニュースが出て、海外のフィットネスサイトが揺れております。
ご存じのように、グルテンは小麦などにふくまれるタンパク質の一種。これを取り除くことで、ダイエットやアレルギー治療に効果があるとされておりました(個人的にはグルテンフリーの減量効果については疑ってますが)。
が、今回のニュースによると、
しかし彼の最近の研究で、過敏性腸症候群の悪化の原因はグルテンではなく、FODMAP(発酵性のオリゴ糖、2糖類、単糖類、ポリオールなどの、吸収されにくい炭水化物)であった可能性が高いことが明らかになったのだという。
現在ギブソン教授は、胃腸の調子が悪い人には、グルテンフリーではなく低FODMAP食事法を勧めている。
とのこと。あらためて対照研究をしたら、いままでグルテンのせいだと思っていた病気が思い込みだった!って話でして、確かにグルテンフリー業界が騒ぐのもわかりますねぇ。
そんなわけで元の実験を読んでみたわけですが、結論から言えば、これだけで「グルテンフリー食品に健康効果はない」と言い切るのはムリだと思います。
というのも、この論文って過敏性腸症候群の患者しか調べて無いんですよね。これまでグルテンの害について調べた研究は多岐にわたってまして、具体的には、
- うつ病:2012年の研究では、グルテンフリー食品がうつ病の症状を緩和することが判明。逆に2014年にはグルテンがうつ症状を引き起こすことがわかった。
- 1型糖尿病:6歳の1型糖尿病患者にグルテンフリー食品を与えたところ、インシュリンを使わずに症状が改善した(2012年の研究)。
- 自閉症: 自閉症スペクトラムの子どもたちにグルテンフリー食品を与えたところ、症状が改善した(2012年の研究)。
あたりが代表的なところ。他にも筋繊維痛や統合失調症、運動失調症といった神経系の難病との関連がささやかれてまして、さすがに「グルテンフリーは意味が無い!」と言っちゃうのはムリがあるかな〜と思います。
まぁパレオダイエットをやってれば自然とグルテンの量は少なくなるんで、個人的にはあんま心配してないんですが。
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