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安全性がかなり怪しくなってきた化粧品の添加物3選 #1

Cosmetics

パレオダイエットでは、基本的には肌に塗るものをオススメしないわけですが、それでも保湿クリーム日焼け止めぐらいは使っております。


そこで気になるのが添加物の問題。海外の美容サイトなんかを見てたら、最近になって「ちょっと安全性どうなのよ?」って空気になってきた添加物がいくつかあるので、ここにまとめておきます。





パラベン
超昔からシャンプーや保湿クリーム、コンディショナー、シェービングクリームなんかに使われてきた保存剤。人体への毒性は極めて低いと言われてきたんですが、ここ数年の研究で、以下の問題が出てきたらしい。

  1. 肌を通って体内に溜まりやすい:大前提として、パラベンは肌から吸収されて体内に溜まっていくことがわかっている。[1]
  2. 体内のパラベン量が高いほど花粉症やアレルギーの発症率が高い:2012年の研究によれば、尿内のパラベンが多いほど、花粉症やアレルギーにかかっている確率が高かった[2]
  3. 体内のパラベン量が高いほどストレスホルモンが多い:2013年の研究によれば、尿内のパラベンが多い妊婦と新生児は、ストレスホルモンの分泌量が多かった[3]
  4. 体内のパラベン量が高いほどDNAダメージが多かった:2011年の研究によれば、尿内のパラベンが多い男性ほどDNAのダメージが多いことがわかった[4]


これらの研究は、いずれも「関連性がありましたよ〜」って言ってるだけなので、まだ「パラベンは悪!」と決まったわけじゃないし、近ごろの化粧品はパラベンの含有量が非常に少ないわけですが、どうも好きこのんでパラベンが入った商品を選ばなくてもいいかなーという感じであります。


フタル酸エステル
デオドラントや香水、ヘアスプレーなんかによく入っている成分。こちらも定番の成分ですが、以下の問題が出てきております。

  1. 抗アンドロゲン作用がある:動物実験の段階ですが、フタル酸エステルは男性ホルモンの分泌をさまたげる作用と、遺伝子に影響を与える作用があることがわかったそうな。[5]
  2. オスの生殖機能を弱らせる:これも動物実験ですが、フタル酸エステルはオスのマウスの生殖機能を弱らせる効果があったそうな。[6]
  3. 女性の糖尿病と関係があるかも:これはヒトの観察研究でして、フタル酸エステルが入った化粧品を多く使う女性は、糖尿病を発症する率が高かったとか。[7]
  4. 肥満とも関係があるかも:フタル酸エステルの血中濃度が高い若者は、総じてBMIが高い傾向が強かったとか。[8]


フタル酸エステルに関しては、動物実験の例と観察研究がメインなので、やはり「絶対に体に悪い!」とは言いきれません。が、デオドラントをよく使う方は、ちょっと頭の片隅に置いておいたほうがいいかも。


トリクロサン
薬用石けんや歯磨き粉、デオドラントなんかに入っている殺菌成分。近ごろFDAが規制強化を発表しまして、今回紹介したなかでは、わりと体に悪いことが明確になってきた感じ。


甲状腺ホルモンが減ったり、女性ホルモンの異常を引き起こしたりと、さまざまな影響が言われてますが、確実なところでは、トリクロサンを使うと逆にバクテリアが鍛えられちゃって、さらに強いバクテリアが生まれることが明らかになっております。[9] 薬用石けんなんかを使っている方は要注意ですね。


まとめ
そんなわけで、近ごろ安全性が疑問視されはじめたコスメ関連の添加物でした。パラベンとフタル酸エステルに関しては、「できれば避けたほうがいいんじゃない?」ぐらいのレベルで、トリクロサンは「使わないほうがいいよ!」ぐらいの感じ。ご参考までに。


credit: My Sight, as You See. via FindCC
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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。