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今週の小ネタ:モテる男に共通する特徴とは?カップルが長続きするには?エロ動画を見るとパートナーが「微妙」に見えてくる?


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

 

 

モテる男に共通する特徴とは?

「イケメンでもなければ金持ちでもないのに、なぜかモテる男がいる」という現象は、意外とよく見かけるところでしょう。もちろん外見や経済力がモテに直結するのは間違いないんだけど、それ以外にも大事な要素がありそうなのは容易に想像がつくところであります。

 

で、近ごろ出た研究(R)は、「成長意欲がある男はモテる!(かもしれない)」という新たな知見を提供してくれてて面白かったです。

 

これはミッチ・ブラウン博士らによる研究で、このチームが調べたのは「自己成長に意欲がある人は、異性にどう評価されるのか?」というシンプルなポイントです。人間関係の世界では、「外見」や「ユーモア」など派手な要素に目が行きがちなんだけど、じつは「どれだけ成長しようとしているか?」という内面的な姿勢こそが、長期的な関係においてはめちゃ大事なんじゃないか、と。

 

そこで研究では、自己成長を以下の2タイプに分けて評価しております。

 

  1. 経験型の成長:人生を楽しみつつ、そこから意味を見出していこうとする姿勢(例:「旅行や新しい趣味に挑戦し、そこから人生の教訓を得ようとするタイプ」)

  2. 内省型の成長:日々の出来事を振り返って、自分を高めようとする姿勢( 例:「失敗から学び、次はどうするかを丁寧に考えるタイプ」)

 

このどちらもが、いわゆる「人間的な成熟」とか「思いやりのある性格」とつながっているとされてるんですけど、果たして“モテ”との関係はどうなんだってことですな。

 

そこでこの調査では、アメリカの大学生508名(平均19歳)に対して、異性のプロフィールを提示。それぞれのプロフィールでは、成長意欲の有無やタイプが微妙に変えてありまして、

 

  • 高成長 vs 低成長
  • 経験型 vs 内省型

 

といったバリエーションで「この人と付き合いたいと思うか?」を評価してもらいました。また、それと同時に「短期的な恋愛(ワンナイト・短期間の交際)」と「長期的な恋愛(真剣交際・結婚)」それぞれのシチュエーションごとに評価を取るという、なかなかに丁寧な設計になっております。

 

その結果、どんな結果が出てきたかと言いますと、

 

  • 女性は、成長意欲が高い男性を長期パートナーとして強く好む
  • 特に「経験型の成長」を示す男性の評価が高い(新しいことに挑戦している感じ)

  • 内省型も好印象だが、経験型ほどではない

  • 一方、男性側はあまりこの傾向が見られず、女性の成長意欲による評価差は小さめだった

 

ということで、「成長しようとしている男性」は、女性から見ると非常に魅力的に映るんじゃなかろうかって結論ですね。逆に、「あまり自分を成長させようとしていない男性」は、どのシチュエーションでも評価が低めでして、どうも見た目や年収以前の問題として、人間的な伸びしろが評価されているってことなんでしょうな。

 

まああくまでアメリカの調査なので、日本にどこまで当てはまるか謎ですけども、日本の女性も長期的な関係では将来性や誠実さを重視する傾向が強いことを考えれば、個人的には「成長しようとする男がモテる」可能性は本邦にもありそうな気がしますな。とりあえず、すごい実績やスキルがまだない人は、「今より良くなろう」としている姿勢を強調してみるのはアリかもですね。

 

 

 

カップルが長続きするにはメイトバリューが大事

恋愛関係を長続きさせるには何が必要か? ってのを調べた研究はたくさんあって、「愛があれば大丈夫!」「会話が大事!」なんて答えも聞きますが、新しい研究(R)は「進化心理学の観点から見る、カップルがうまくいく条件」を調べてて面白かったです。

 

研究を行ったのは、アメリカとイスラエルのチームで、2つの大規模調査をもとに「メイトバリュー」と呼ばれる指標をチェックしてます。メイトバリューってのは、ざっくり言えば「恋愛市場での魅力度」のことでして、

 

  • 見た目の良さ
  • 健康状態
  • ユーモア
  • 知性
  • 忠実さ

 

といった要素を総合的に評価したものになります。いわば「恋愛における自己評価と他者評価」を可視化する概念みたいなもんですな。

 

調査の対象になったのはアメリカの大学生454人(平均18〜44歳)と、イスラエルの一般人1,764人(18〜80歳)。恋愛関係が3か月以上続いている人が対象で、自分と相手の魅力をそれぞれ評価してもらったうえで、恋愛の満足度・投資・コミットメント・代替相手の魅力度を測定したんだそうな。

 

でもって、分析からわかったのは、こんな傾向であります。

 

  • 自分もパートナーも「魅力的」と感じているカップルは、関係に満足していて、お互いに強くコミットしていた

  • 両者の魅力レベルが近いほど、長く安定した関係が築けていた

  • 逆に、「自分の方が魅力的すぎる」と思っている人ほど、関係に冷めやすく、他の相手に目が行きやすかった

 

ということで、カップルの片方が「俺の方がもっといい相手を見つけられるんだけどな〜」みたいな感覚を持っていると、当たり前ながら関係はうまくいきづらいってことですな。一方で、「自分も相手も、まあ釣り合ってるな」と感じている人ほど、安定した幸せを感じやすい傾向にあるようです。

 

というと、自分と相手の魅力度に差がある場合はどうなるのか? ってのが気になるでしょうが、ここは文化や年齢によって結果が変わってくるっぽいんですよ。簡単に分類すると、

 

  • ケース①「自分の方が魅力的だ!」と思ってる場合
    • 恋愛の満足度・投資・コミットメントがすべて低い
    • 「他の相手でもいける」と思いやすい
    • 安定感のない関係になりやすい
    • この傾向はアメリカとイスラエルで共通

 

  • ケース②「相手の方が魅力的だ!」と思ってる場合
    • アメリカの大学生は、関係に不安を感じやすく、満足度が低下しやすかった
    • イスラエルの成人は、逆に「ありがたみ」が増して、満足度・コミットメントが向上していた

 

つまり、片方が「俺ならもっといい女いける」「私、もっと素敵な彼と付き合えるはず」と思っているとだいたい関係が破綻するのに対して、片方が「自分のパートナーは魅力があるなぁ……」と思っている時には年齢による違いが出てくるのではないか、と。

 

この違いは、おそらく関係の安定度や人生経験が影響しているんだと思われまして、たとえば、若い大学生カップルだと「彼、すごくモテそうだから心配…」みたいな不安が先立つけど、中高年のカップルになると「こんな魅力的な人と一緒にいられるなんてラッキー!」という前向きな受け止めになりやすいのかもですな。

 

なかには、この研究を見て「え、自分の方が明らかに魅力度が下なんだけど…」と思った方もいるかもしれませんが、そこはご安心ください。実はこの「メイトバリュー」ってのは、客観的な指標よりも「自分がどう感じているか」の方が大事なんで。要するに、実際の見た目や収入よりも、「私はこの人にふさわしい!」と主観で思えるかどうかのほうが重要なんですよ。

 

ということで、この研究を雑にまとめると、「恋愛が長続きするカギは、釣り合ってる感覚だ!」ってことになりましょう。恋愛においては、「何を持ってるか」よりも「どう感じているか」が大事ってのは、なんとなく腑に落ちる結論じゃないかなーと。

 

 

 

エロ動画を見るとパートナーが「微妙」に見えてくる?

「ポルノを観ると性格が歪む!」とか「いや、むしろ性の解放になる!」とか、ネットやSNSではいまだに議論が尽きないところであります。が、どちらの意見にも科学的な根拠はあったりなかったりで、「結局どうなんだよ…」と思っていた方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回、新たに出た研究(R)がちょっと面白くて、結論からいえば、

 

  • エロ動画を観た後は、パートナーの魅力が微妙に下がる!

 

みたいな結論になっておりました。おそろしいですなぁ。

 

この研究は、セントラルオクラホマ大学のチームが行ったもので、これまでのポルノ研究というと、だいたい「ポルノを観てる人は浮気しやすい」とか「関係満足度が低い」といった相関研究が多かったんですが、今回は、

 

  • 参加者に実際にポルノを観せたらどうなるか?

 

を検証したところがユニークなポイントになっております。具体的には、144人の参加者に対して30分間のエロ映画を観てもらいまして、その際に映像の中身を3パターンに分けまして、

 

  1. エロパイレーツ組(X指定):『Pirates(2005)』というポルノ映画。異性愛・レズビアン・支配と服従などが含まれたコンテンツを見てもらう。

  2. アクションパイレーツ組(PG-13):『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』を見てもらう。

  3. ファミリーパイレーツ組(PG):『パイレーツ!バンド・オブ・ミスフィッツ』という子供向けアニメを見てもらう。

 

ってことで、すべて「海賊系の作品」で統一することにより、視覚的なバイアス(剣、帽子、船など)をコントロールするという、なかなかのこだわりを見せております。こういうの好き。

 

でもって、各グループが映画を視聴した後には、以下のような質問をしたんだそうな。

 

  • あなたのパートナー、今どのくらい魅力的に見えますか?
  • パートナーとの関係にどのくらい満足していますか?
  • 性的願望やファンタジーはどんなもんですか?
  • 性的な寛容さや浮気願望はありますか?

 

その後で、出てきた結果をざっくりまとめると、こんな感じになりました。

 

  • 性的な欲望や浮気願望には特に変化がなかった

  • が、異性愛男性に限っては、ポルノを観た後にパートナー評価が明確に下がった

 

ということで、つまりはエロ動画を見ても「セックスに対する考え方」には短期的な影響はなかったけど、「今の恋人が魅力的に見えるか?」には影響があったという話なんですな。

 

この現象を、研究チームは「コントラスト仮説」で説明しております。簡単に言うと、理想化されたポルノ映像(プロポーションも演技も完璧)を見た後だと、現実の人間が見劣りして感じるというもので、非常にわかりやすい話ですね。特に男ってのは視覚的な刺激に反応しやすいんで、「非現実的な女性像」と現実のパートナーを無意識に比較しちゃうらしい。うーん、ありそう。

 

ちなみに、この現象は女性には当てはまらなかったそうで、同じようにポルノを観てもパートナー評価に有意な影響はなかったとのこと。つまり、今回の効果は「異性愛の男性限定」ってことでして、「男性の視覚偏重な性選好」があらためて浮き彫りになった感じと言いますか。

 

 

まあ、この研究は、あくまで一度の視聴による短期的な効果なので、長期的な影響まではよくわからないんで注意してくださいませ。自己申告ベースのデータなので、社会的望ましさバイアスの可能性もありますしね。とはいえ、「たった30分の映像で、無意識に恋人の魅力が下がる」という結果は、なかなか無視できないインパクトじゃないかと。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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