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「人見知り」に対するありがちな9個の誤解

Introverts

ここ数年、人見知りに関する翻訳書が多く出ております。「内向型を強みにする」とか「内向型人間の時代」とか「内向的な人こそ強い人」とか「内向型人間のための人生戦略大全」とか、生粋の人見知りであるわたしにとっては、どれも非常に参考になる内容でした。



 



いずれの本も、基本的には「そもそも人見知りは脳の作りが違うんだ!」って知見がベースになってまして、具体的にはドーパミンの感受性が外向型とはまったく異なるみたい。


本来、ドーパミンは、頭を興奮状態にしてモチベーションを上げてくれる脳内物質ですが、人見知りは、この刺激に対してすぐに疲れちゃうんですね。「内向的な人がコーヒーには向いていない理由」で紹介した話と同じで、内向型は外部からの刺激に対してめっぽう弱いんだ、と。


逆に、外向的な人は刺激に強いもんで、ドーパミンがドバドバ出れば出るほどやる気が出ちゃう。実際、外向型の脳は血流量が少ないもんで、内向型よりも多くの刺激を必要とするんだとか。これだけ脳の成り立ちがまったく違うと、人見知りを治そうとジタバタしてもムダ。それよりも人見知りに対する誤解を解きつつ、内向型のメリットを活かす方向で考えたいところです。


そんなわけで、ここでは多くの人見知り本が主張する、「ありがちな誤解」についてまとめてみます。

誤解1 人見知りは会話が嫌い

内向型の人は「言うべきこと」がない限りは言葉を発せずに黙りがち。そのため、雑談や世間話が苦手なくせに、興味があることはガンガンしゃべる、いかにもコミュ障っぽい行動を取っちゃう。個人的にも、この傾向は自覚しているところです。

誤解2 人見知りは照れ屋である

「内向型人間の時代」(http://amzn.to/2tCTmqB)のスーザン・ケインいわく、内気さは人見知りとは関係がないんだそうな。人見知りは別に人間を恐れているわけではなく、あくまで他人と接するに足る十分な「理由」が必要なだけ。基本的にコミュニケーションのためのコミュニケーションが苦手なんですな。

誤解3 人見知りは無礼なヤツである

内向型の人間は、コミュニケーションにつきものの軽い冗談やあいさつが苦手で、わりと直球で本題に入りたい傾向が強め。ただし、これを他人から見ると、いきなり懐に短刀を刺し込んでくる無礼者に思われかねず、互いにとって不幸な結果をまねくことも。うーん、これも心当たりがあるな。

誤解4 人見知りは人嫌いである

大勢の友人を作るのが苦手なかわりに、数少ない友人にたいしては激しく友好的に接するのが内向人間の特徴。別に人が嫌いなわけではなく、いろんな人と接するだけのエネルギーが足りないだけなんですね。もっとも、いったん内向型と友だちになると、一生涯にわたって友好関係が続くケースはかなり多め。

誤解5 人見知りは社交が嫌い

基本的には、人見知りも人と話すのが好き。ただし、外向型の人と違ってコミュニケーションに疲れやすいんですね。内向型の人間は、すぐに相手のデータや環境を頭のなかで分析し始めるんで、脳がオーバーヒートを起こすのが早いんですな。

誤解6 人見知りは孤独が好き

内向型の人間は「思考」が好きなんで、とにかく頭の中でいろいろと考えがち。そのため、周囲からはボーッとしたヤツに見えたり、話しかけづらい人に思われちゃう。とはいえ、人見知りも、自分が考えたことを分かち合う相手は絶対に必要で、思考のはけ口がないと孤独感に苦しむことも多め。

誤解7 人見知りは変わり者が多い

内向型は基本的に個人主義なことが多く、大勢についていくのが苦手であります。新しいアイデアを好み、人気や流行をベースに物事を考えないもんで、従来のルールに反した考え方を持つことも。そのせいで、変わり者のような印象を与えちゃうわけですね。

誤解8 人見知りは冷淡

人見知りの人間は、自分の内面に注意を向けることが多く、おもに自分の思考や感情に意識を集中しております。そのせいで、周囲の人や環境に気をやるケースが少なくなり、自然とまわりからは冷淡だったり無関心な人間だと思われがち。対して、外向的な人は外部の刺激に注意が向くんで、周囲への関心が高くなるんですね。

誤解9 人見知りは治せる

上述しましたように、そもそも人見知りは脳の働きが違うので、基本的には変えられないと思ったほうが無難。多少はトレーニングで修正できても、その努力を他のことに使ったほうがエネルギーをムダにせずにすみそうです。そのかわり、内向型はIQが高いケースが多く、思考を深めるのも得意なんで、そのあたりの特性を伸ばす方向で考えるのがよさげ。

まとめ

というわけで、人見知りに関する誤解を並べてみました。 ちなみに、上で人見知り本を何冊か挙げましたが、どれか一冊ということであれば「内向型を強みにする」をオススメしておきます。実証的なデータが多くて、理屈っぽい人が多い内向型の方ほど楽しめるはず(笑)

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。