砂糖はどこまでダイエットの敵なのか? - 狩猟採集民の場合
ダイエット界では嫌われ者の「砂糖」。特に糖質制限ダイエットの世界では、「砂糖こそデブの元凶!」なんて声もあるわけですが、ここでは「本当に砂糖って太るの?」ってお話を。
果物とイモを食べまくっても肥満ゼロ
まず参照したいのが、当ブログではおなじみなハッツァ族の研究(1)。タンザニアの狩猟採集民でして、糖尿や心臓病といった現代人の病気とは無縁の暮らしをしております。
データによれば、彼らの食生活の割合は以下のような感じ。
- ハチミツ:1〜19%
- 肉:10〜35%
- バオバブ:7〜15%
- ベリー類:18〜37%
- イモ類:18〜31%
肉以外はほぼイモかフルーツでして、かなり糖質の多い食事をしてらっしゃいますね。
それなのに、ハッツァ族の体脂肪は11〜20%ぐらいでして、当然ながら肥満はゼロ。BMIも健康そのもので、男性が20.2、女性が20.4ぐらいだそうな。 糖質否定派にとっては、なかなかツラいデータですねぇ。
精製砂糖を食べまくっても肥満ゼロ
もっとも、ハッツァ族は食物繊維や水分が豊富な食事をしているので、「問題は精製された砂糖なのだ!」って反論はあり得るかと思います。実は、わたしも最近までそう思っておりました。
が、続いて参照したいのが、パナマのクナ族を調べた2006年の研究(2)。彼らは、基本的には狩猟採集民と同じ食生活をしてるんですが、ある程度の交易もしてまして、かなりの量の精製砂糖を消費しているんですね。
具体的には、1週間に小さじ25杯ぶんの砂糖をココアに入れ、果糖ぶどう糖液糖の入った炭酸飲料もがぶ飲みしているんだとか。おそらく、日本人の砂糖消費量よりもちょっと少ないぐらい。
しかし、それでもクナ族には肥満がおらず、BMIは平均で22ぐらい。もちろん糖尿病や高血圧の者もいなかったんだそうな。
まとめ
そんなわけで、以上の話をまとめると、
- 砂糖が肥満の原因とは思いにくい
- 狩猟採集民の暮らしをしていれば糖質が多くても太らない
といった感じ。個人的には、セットポイントが乱れた状態で大量の砂糖をとるのは良くなさそうだけど、砂糖そのものが悪者ではないのだろうなーと思います。砂糖で睡眠の質が改善するって説もありますし、あくまで使い方次第ってことなんでしょうね。