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いろんな自分のイメージを頭に描いてみると創造性は高くなる

Selfview

 

いろんな自分のイメージを頭に描いてみると創造性は高くなる!」って論文(1)がおもしろいのでメモ。

  

 

これはシカゴ大学の実験でして、被験者は多人種で構成された167名。まずは、全員を2つのグループにわけて、以下の作業をしてもらったんですね。

 

  1. 「平均的な自分の1日」について書く
  2. 「自分の人種を意識させられたこと」について書く

 

その後、みんなに遠隔連想テスト(「『位置』『重り』『北』の共通点は?」みたいなやつ)をやってもらったところ、「自分の人種」について書いたグループのほうが明確に成績がよかったんだそうな。

 

 

続く実験では、57名の被験者に対して、

 

  1. 「平均的な自分の1日」について書く
  2. 「自分に関するすべてのアイデンティティ」をリストアップする(性別、人種、家族、組織など)

 

って作業をしてもらったうえで、今度は「パスタの別称を可能な限り挙げてください」みたいな創造性テストをしてもらったそうで。すると、やはり結果は同じで、自分のアイデンティティを挙げたグループほど創造性が高くなったらしい。

 

 

研究者いわく、

 

より幅広く、総合的で、柔軟性のあるセルフイメージを持つほど、創造性は高くなるのかもしれない。

 

とのこと。自分のなかのキャラが多いほど視点が多くなって、その結果として創造性が上がるってのは、感覚的にもわかりやすい話かなーと思います。ちょい前に「変わった人は情報を選り分ける能力が低いから創造性が高い」って話がありましたが、視点が少ないと大量の情報が自動的に整理されちゃうのに対し、セルフイメージが多いほど価値の高い情報に気づきやすくなるんですかね。

 

 

そんなわけで、創造性が必要な場面では、まずは「社員としての自分」「家族での自分」など、いろんな自分のイメージを頭に描いてみるといいかも。

 

 

credit: Cayusa via FindCC


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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