食物繊維で逆に便秘が起きてしまう3つのパターン
https://yuchrszk.blogspot.com/2015/04/blog-post_8.html?m=0
食物繊維と便秘に関するご質問をいただきました。
食物繊維のサプリメント『ストロングファイバー』を1日10袋ほど摂取していたのですが、逆に便秘になりました。食物繊維はお通じを良くしてくれるはずなのに、おかしいと思います。飲むのをやめたら、また普通の便通に戻りました。食物繊維も摂取しすぎると良くないことがあるでしょうか?
とのこと。食物繊維が体にいいのは間違いがなく、当ブログでも「ダイエットに効く!」として何度も取り上げております。が、食物繊維は摂取しすぎれば便秘の原因になります。
前提として、食物繊維には大きく2種類がありまして、
- 不溶性食物繊維:セルロース、キトサン、キチンなど
- 水溶性食物繊維:難消化性デキストリン、イヌリン、ペクチンなど
にわけられます。どちらも健康には必須の成分ではありますが、摂りすぎればいろんな問題が出てきちゃうんですね。
不溶性食物繊維は便秘を悪化させる
まず不溶性の食物繊維についてですが、2012年の論文(1)で、実は便秘を悪化させる作用が高いことがあきらかになっております。一般的には「便の量を増して腸内を刺激して便秘を治す」と言われるんですが、もとから便秘気味の人が飲むと、たんに便の体積が増えるだけに終わってしまい、逆に外に出にくくなっちゃうわけです。この事実を、研究者は車の渋滞にたとえております。
食物繊維と便秘の関係は、車の渋滞に似ている。渋滞を緩和する唯一の方法は、車の数を減らして流れをスムーズにすることだ。 車の数を増やしたら、渋滞は悪化してしまう。同じように、腸内に便がたまった患者に対しては、食物繊維の量を減らしてやることで便が小さくなり、排出はよりスムーズになる。
とのこと。不溶性食物繊維は、腸内の渋滞を悪化させちゃう可能性があるわけですね。
水溶性食物繊維で便秘が起きる2つのケース
続いて、水溶性の食物繊維。ご質問者さんが飲んでいる「ストロングファイバー」は難消化性デキストリンなので、水溶性食物繊維を使った商品になっております。こちらは不溶性と違って水に溶けてドロドロになり、便をやわらかくしてくれます。その点では、どちらかといえば下痢の原因になりやすいことが多いんですね(2)。
ただし、やっぱり摂りすぎれば便秘を引き起こす可能性もアリ。具体的には、
- 腸がFODMAPに対応できていない
- 腸が一時的に水分不足になる
の2パターンがあるかと思います。
1番めのFODMAPは、腸内が水溶性の食物繊維などに過敏になった状態のこと。もともと水溶性食物繊維は腸への刺激が強い成分でして、体が十分に対応できない人が存在しているんですね。
こういった方が水溶性食物繊維を摂りすぎれば、腸内環境がさらに悪化して、便秘になってしまうケースは考えられます。さらに具体的には、「壊れた腸を徹底的に癒やして健康になるための『FODMAP』食事法」をご参照ください。
もう1つが、大量の食物繊維のせいで腸内が水分不足におちいるケース。今回のご質問者さんの場合は、 「『ストロングファイバー』を1日10袋」という大量の食物繊維を飲んでらっしゃいますんで、こちらのパターンが原因ではないかと。
基本的に、食物繊維は水分を吸い込む働きがありまして、まとまった量を一気に体内に送り込むと、腸内の水が足りなくなっちゃうんですね。すると、便はやわらかくなったものの、周囲に水がないので腸の滑りが悪くなり、うまく体の外に出てくれないといった現象が起こりえます。
まとめ
そんなわけで、食物繊維で逆に便秘が起きちゃうパターンについて見てきました。ほかにも、食物繊維の摂り過ぎは、腸内ガスの発生や栄養不足を引き起こす原因にもなるので、やはり飲み過ぎには注意したいところ。サプリで補う場合は、1日に2〜3グラムからスタートして、お腹の具合をみつつ増量していくのがよいかと思います。お大事に〜。