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効率よく筋肉量を増やすための摂取カロリー計算法

Training

「筋肉量と体重を増やす方法」に関するご質問をいただきました。

効率よく体重と筋肉量を増やす方法」は無いでしょうか。 私は現在、身長175センチ、体重50キロで、体脂肪こそ5パーセント未満ですが、筋肉量は平均以下で、アバラ骨が浮き出た貧相な肉体です。

 

2年前は体重は70キロほどあったのですが、仕事の多忙さから次第に一日の食事が1食となり、そのころはこちらのサイトで書かれているような知識もなく、加工食品や炭水化物中心の生活を行っていたためどんどん筋肉量も減り、現在の体型となってしまいました。

今は健康的な体を手にすべくパレオダイエットと、リーンゲインズを行った上での筋トレを行っていますが、かれこれ3ヶ月経っても割れた腹筋には程遠い体です。
  
現在の具体的な生活リズムとしては、今も完全に1日1食の生活を継続中で、出来るだけ2日に1回は筋トレ(腕立て伏せ、スクワット等を)しております。


とのこと。確かに、175センチで体重50キロはやや低体重かと思います。





筋肉が増えない原因と対処法

筋肉や体重が増えない原因としては、

  1. 腸内環境の悪化腸が荒れてしまって十分に栄養を吸収できていない。
  2. 甲状腺機能の異常ホルモンバランスが崩れて代謝が下がっている。
  3. 単純にカロリー不足:筋肉が増えるのに必要なだけのエネルギーが足りていない。


の3つがおおまかに考えられます。しかし、今回のご質問者さんの場合は、単純にカロリーが足りていないのが大きいのではないかと。


というのも、ご質問のメールには1日の食事内容も書いてありまして、

食事メニューとして以下のような食事で、以前の記事を参考にTDEEを計算し、たんぱく質と糖質のバランスを調整しています。

 

ホエイプロテイン 20グラム
ゆで卵 2個
アボカド 1個
ココナッツオイル 大匙1
鯖の缶詰 1個
りんご 半分
キャベツ、トマトなど緑黄色野菜、海藻類のサラダ
ナッツ類


とのこと。食材のチョイスはすばらしいと思うんですが、これだと総摂取カロリーが2,000kcalにも満たないので、どうしても筋肉はつきづらいはず。ちゃんと筋肉をつけるためには、脂肪が増えすぎないレベルで適度なカロリーをとる必要があるんですね。


筋肉をつけるための摂取カロリー量ガイド

効率よく筋肉をつけたい場合の摂取カロリーに関しては、それなりに科学的な基準がありまして、具体的には以下のステップで数字を出していただければと思います。


1)自分の筋肉量を計算する
まずは自分の筋肉量を計算しましょう。たとえば、いまの体重が60キロで体脂肪が15%なら、全体の脂肪量は9キロで、筋肉量は51キロになりますね。自分の体脂肪がいまいちわからないときは、「体脂肪とBMIによる体型の変化の目安になる画像2枚」を参考に、見た目からおおまかな体脂肪率を推測すればOKであります。


このとき、体脂肪率が15%以上の場合(女性なら20%以上)は、筋肉をつけるよりもまずは脂肪を落とすことを考えるほうが先。体脂肪率が高いと、せっかく筋肉をつけても引き締まって見えず、やる気がなくなっちゃうので。


2)目標カロリーを計算する
続いて、筋肉量に44をかけます。いまの筋肉量が51kgなら、1日の目標カロリー2244kcakですね。


3)目標のタンパク質量を計算する
以前に、ダイエットのためのタンパク質量は「総摂取カロリーの15〜35%」って基準を紹介しました。基本的には、1日に体重1kgあたり1g以上のタンパク質をとっていれば筋肉は発達するようですが、あまったプロテインには筋肉の減少を食い止める効果もあるので、体重1kgあたり2gのタンパク質をとるのもアリ。


ただし、タンパク質の摂り過ぎは体によくないので、あくまで自分の体調を見つつ毎日のタンパク質を決めてくださいませ。


4)タンパク質をとるタイミング
1回20〜30グラムのタンパク質を、筋トレの前後にとればOK。タンパク源としては、ホエイプロテインでも鶏むね肉でも、魚でもヨーグルトでもなんでもいいですが、できるだけ質の高いものを選びたいところです。


5)脂肪の量を決める
脂肪の量に関しては、総摂取カロリーの20〜50%の範囲でざっくり決めてOK。総摂取カロリーとタンパク質量さえしっかり守れば、脂肪の割合は食事の好みによって変えて構いません。

ただし、当然ながら質の高い脂肪分を選ぶのは必須で、できれば1日に1〜2グラムのオメガ3脂肪酸はとりたいところ。わたしの場合は、1日に100グラムのサーモンを食べるようにしております。


6)炭水化物の量を決める
タンパク質と脂肪の量が決まれば、残りはすべて炭水化物に割り当ててOK。「健康に良い『ベストな糖質源』を番付にしてみた」を参考に、質の高い食品を選んでいただければと思います。



まとめ

そんなわけで、以上の総摂取カロリーを守りつつ運動をすれば、自然と筋肉が増えていくはず。当然ながら、筋肉が増えるごとに必要なカロリー量も変わっていくので、そのつど再計算してくださいませ。


といっても、上記の計算をいちいち行うのもめんどうかと思いますので、わたしが実際に使っているエクセルファイルを以下にアップしておきました。


▼筋肉をつけるためのカロリー計算シート
https://www.dropbox.com/s/ciyyrznq3ve2yzi/muscle-gain.xls?dl=0
Muscle
現在の体重と体脂肪を入力すれば、あとは勝手に1日の目標カロリーやタンパク質量が出るようになっております。よろしければ使ってみてくださいな。


credit: Hossam Aboukoura via FindCC


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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